「子どもの絵や工作」などはどう残す? 60歳を目前に家中を片付け/61歳、ひとり暮らし一年生。

住まい、お金、健康、人間関係など...漠然と老後に対する「不安」を抱えている人は多いでしょう。そこで今回は、60代からの一人暮らしを満喫するYouTuber・yamaさんの著書『61歳、ひとり暮らし一年生。 お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』をご紹介。57歳での突然の整理解雇、目が開かなくなる病気、父親の死など、人生後半のスタート時に訪れた困難を乗り越えた彼女の生き方は、きっとあなたの将来のヒントになるはずです。

※本記事はyama著の書籍『61歳、ひとり暮らし一年生。お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』から一部抜粋・編集しました。

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家族との写真は、アルバムからはがしてコンパクトに整理しました。

家族と暮らした家の片付けで手放したもの・残したもの

仕事を辞め、病気の治療を優先して就職活動もしていなかった時期、私は家中の片付けを始めました。

そのときはまだ家族と暮らしていた家に住み続けるつもりだったので、必要に迫られたわけではありません。

ただ、60歳を目前にして「整理しておかなければ!」という気持ちが湧いてきたのです。

すでに子どもも独立してひとり暮らしになっていましたが、20年ほど住み続けた家には大量のものがありました。

最初に手をつけたのは、クローゼット。

とりあえず入っているものを出すことから始めたのですが、出るわ出るわ。

古いパソコンや着ない洋服など、「とりあえずとっておこう」としまい込んであったものが次から次へと出てきました。

シュレッダーがないので、紙類は手で破き、着られなくなった洋服はリサイクルに出したり、ごみ袋に詰めたり。

何かに熱中すると一気に終えたくなる私は、パンパンになったごみ袋をもって自宅とごみ置き場の往復をする日々が続きました。

自分の本も、必要なものを残して大量に処分。

重くてかさばるアルバムに貼ってあった写真は全部はがし、1枚ずつ裏に日付や場所をメモして箱に納めました。

ものを手放すことに抵抗はなかったけれど、最後まで手をつけられなかったのが、子どもの絵や工作などです。

幼稚園の頃からのものがすべてとってあったため、クローゼットがひとつ埋まるほどの量になっていました。

最後まで迷ったけれど、すべて写真に残してから処分することにしました。

最初の絵を捨てるときはつらかった!

子どもは、どんな思いでこの絵を描いたんだろう?

この頃はどんな毎日を送っていたんだろう?

そんなことを考えると自然に涙があふれてきて、泣きながら撮っては捨て......を繰り返しました。

子どもが家に残していった本の整理にも時間がかかりました。

パラパラとページをめくってみると、マーカーが引いてあったり書き込みがあったりします。

1冊ずつ手にとって中を見たり、その本を選んだ子どもの気持ちを想像したりするうちに、手元に置いておきたくなってしまう......。

大部分は処分しましたが、気になる数冊は、今でもとってあります。

ひとつも捨てずに残したのが、子どもからの手紙。

幼い頃に書いたものはもちろん、大学入学など生活の節目に送ってくれたものも大切に保管してあります。

落ち込んでいた時期に心機一転をはかりたかったのかも

その頃の私は、急な退職と原因のよくわからない病気で、精神的に追いつめられていました。

落ち込むことが多かったけれど、もう一度やり直したい気持ちもどこかにあり、それが家中の片付けにつながったのかもしれません。

その後、家を売ることを決めましたが、売却の準備をしながら家を片付けようとしたら、とてもたいへんだったはず。

突然の「片付け熱」は、「家を売る」という未来に導かれたものだったのかな?なんて気もします。

 
※この記事は『61歳、ひとり暮らし一年生。お金はないけど、「好き」を重ねて楽しむ暮らし』(yama/KADOKAWA)からの抜粋です。

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