知っておきたい「年金・税金のお得な制度」。老後資金で、収入増や資産運用より「考えるべきこと」

生活費が上がり続けるいま、節約や年金、税金など「お金」について考える機会が増えたのではないでしょうか。どうすれば、シンプルながらも豊かな暮らしを実現できるか、識者からたくさんのヒントをいただきました。

【前回】節約アドバイザー和田由貴さんが提案「続けられる節約」で暮らしを豊かに

風呂内亜矢さん(ファイナンシャルプランナー)の提案
年金・税金のお得な制度を使う

収入増や資産運用よりも支出減を第一に!

「長い時間をかけて資産を運用したりためられる若い世代に比べると、大人世代以降ができることは限られ、最も手軽に始められるのは、支出を減らすことです」と話すのは、FPの風呂内亜矢さん。

年金や医療費などは、制度の内容を理解することで、自分にとってお得にすることができるとも。

自宅の空いたスペースや不要品を使い副収入を得る方法も教えてもらいました。

【まとめ】

(1)ミドル世代以降は支出に注目

(2)国の制度をうまく活用する

(3)持っているものを使い副収入を稼ぐ

年金はベストなタイミングで受け取る

知っておきたい「年金・税金のお得な制度」。老後資金で、収入増や資産運用より「考えるべきこと」 2301_P042_01.jpg

60代からの暮らしを支える公的年金。現状は原則65歳から受け取れますが、早く受け取りたい人は最大60歳まで繰り上げ、遅らせていい人は最大75歳まで繰り下げることが可能(1952年4月1日以前生まれは70歳まで)。その際、繰り上げると1カ月あたり0.4~0.5%減額、繰り下げると同0.7%増額します。「受給開始を遅らせた方が毎年の年金額は増えますが、何歳まで生きるかは誰にも分かりません。損得計算はあまり意味がなく、いま持っているお金がどのくらいあり、何歳くらいから年金があると安心なのかを目安に、受け取るタイミングを決めるのがおすすめです」

収入をコントロールして年金を減らさない

知っておきたい「年金・税金のお得な制度」。老後資金で、収入増や資産運用より「考えるべきこと」 2301_P042_02.jpg

現行の年金制度では、60歳以上で在職中だと「総報酬月額相当と年金月額の合計」が47万円を超えると、超えた額の2分の1の年金が支給停止になります。「60代前半の支給停止基準額も上がり働きやすくなりましたが、働き過ぎて収入が多いと公的年金支給額が下がり、税負担や医療費負担が重くなるケースがあります。結果的に手取り収入が減る恐れもあるので、まずは年金事務所に相談・確認してみましょう」。働き続けることも大切ですが、収入と年金受給額を把握しておくと驚かずに済みます。

 

<教えてくれた人>

ファイナンシャルプランナー(FP)
風呂内亜矢(ふろうち・あや)さん

1級ファイナンシャル・プランニング技能士/CFP(R)認定者。テレビ、ラジオ、雑誌などで精力的に情報を発信。YouTubeでは「FUROUCHI vlog」も更新。

この記事は『毎日が発見』2023年1月号に掲載の情報です。

この記事に関連する「暮らし」のキーワード

PAGE TOP