いざという時、誰に託す? 知っておきたい「1人暮らしの生前準備」

いつかは必ず発生してしまう「相続」。家族の死という悲しみの後に、せめてその手続きだけでも円満に進めたいものです。そのためには、みんなが元気なうちから用意しておくことが重要。今回は弁護士の本田桂子先生に「1人暮らしの人の生前準備」についてお聞きしました。


前の記事「もしもに備えて!「財産を家族で話す」6つのタイミングとは/相続入門(6)」はこちら。

 

1人暮らしの人は、生前準備を万全に

「1人暮らしとは、独身の人だけではなく、夫婦2人暮らしをしていて、先に相手が亡くなった場合も含みます」と本田先生。下の図のように、心身の状態に合わせて自分のことを誰かに託せる制度があります。

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日常生活に不安があるとき、定期的な電話や訪問で、体調を確認してもらうのが「見守り契約」です。

「財産管理等の委任契約」は、判断能力はあっても体の自由が利かないときに、銀行や不動産関係の手続きを委任する契約です。この契約と同時に、判断能力が衰えたときに後見人を依頼する「任意後見」の契約もしておくと、「財産管理等の委任契約」からの移行が円滑に行えます。

終末期に尊厳死を希望する場合は「尊厳死宣言書」、葬儀や遺品整理などを依頼したいときには「死後事務委任契約」が必要になります。

「公証役場には各契約書のひな型があります。参考にして必要な契約書を作りましょう」と本田先生。費用は、例えば「財産管理等の委任契約」では1万2000円程度です。

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誰に全てを託すのか、考えておくこと

兄弟姉妹やおい、めいなどがいる人は、いざというときに自分の世話を誰に頼むのか考えておきましょう。「年に一度は顔を合わせたり、お年玉を渡したりして、『何かあったらよろしくね』とあらかじめ伝えておき、その人には遺言書で遺産を残します。親戚に頼めない人は、仲の良い近所の人や年下の友人にお願いする方法もあります」と本田先生。

また、費用はかかりますが司法書士などの専門家にも相談できます。誰に全てを託すのか、考えておくこと

 

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取材・文/松澤ゆかり イラスト/いなばゆみ

 

 

<教えてくれた人>

本田桂子(ほんだ・けいこ)先生

弁護士。民事信託専門事務所勤務。会計事務所勤務、行政書士を経て弁護士に。相続関連の書籍が多数。近著『親が70過ぎたら必ず備える40のこと』(技術評論社)など。

この記事は『毎日が発見』2019年6月号に掲載の情報です。

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