一生お金に困らず暮らしたい!「100歳までの生活費」いくら必要!?

"人生100年時代"といわれるようになりました。厚生労働省によると、90歳で健在の人は男性の4人に1人、女性の2人に1人の割合とか。100歳を迎える人も、いまでは珍しくありません。となると、気になるのは生活費のこと。マネージャーナリストの有山典子さんに伺いました。

一生お金に困らず暮らしたい!「100歳までの生活費」いくら必要!? 1904_p095_01.jpg一生お金に困らず暮らすには...?

長生きできるのはうれしいこと。でも、一方で「老後資金が足りるかどうか心配」という方も多いのではないでしょうか。

老後資金を準備するときは、平均寿命をイメージして、60歳から25年分程度と考えるのが一般的でした。でも、100歳まで生きると考えれば、それでは足りないかもしれません。

もし100歳まで生きるのなら、今後の老後資金はいくら必要でしょうか? 今回は、その金額を計算する方法をご紹介します。

計算のしくみはシンプル。現在の生活費がずっと続くとして、100歳までの必要資金はいくらになるかを計算します。

本当にザックリした計算ですが、これで金額のおおまかなイメージがつかめます。「いくらあっても足りない気がする」といった、漠然とした不安を解消する糸口になるはずです。

計算した結果、「とうてい足りない」というのなら、いまのうちにお金の使い方を見直すこともできるでしょう。反対に、「十分に余裕がある」というのなら、安心して、もっと使ってはどうでしょう。

せっかくためた老後資金。充実した生活を送るために上手に活用するのがおすすめです。

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100歳になるまであと何年?

100歳までの老後資金は、下の4ステップで計算します。年金生活の方を想定していますので、年金をこれから受給する方は、生活費、年金額とも見込み額で計算してください。

 

《老後資金がザックリ分かる4ステップ計算式》

★まず4つの金額を確認します

1) 毎月の基本生活費
食費、水道光熱費、住居費、医療費など

2) 毎年必要なお金
固定資産税、火災保険料、冠婚葬祭費など

3)今後使いたい、まとまったお金
旅行、住宅リフォーム、老人ホーム入居費などに使うお金の合計額

4)年金額
公的年金、企業年金などの合計額(税金、社会保険料を引いた後の手取り額)。夫婦の場合は2 人分

 
★次に4つのステップで計算してください

【ステップ1】毎年の生活費を計算!

食費や水道光熱費といった毎月の基本生活費を12倍し、これに固定資産税など毎年必要なお金を加えて、毎年の生活費を計算します。

毎年の基本生活費(前述の1) × 12カ月 = 毎年の基本生活費

毎年の基本生活費 + 毎年必要なお金(前述の2) = 毎年の生活費


ステップ毎年の不足額を計算!

毎年の生活費から年金額を引いて、毎年の不足額を計算します。

毎年の生活費 - 年金額(前述の4) = 毎年の不足額


ステップ3】一生分の不足額を計算

まず100歳までの年数を計算してください。毎年の不足額にこの年数を掛けると、生活費の一生分の不足額が分かります。

毎年の不足額 - 100歳までの年数 = 生活費の一生分の不足額


ステップ4】生活費以外に使うお金を加える

ここに生活費以外の費用を加えます。これは、例えば住宅リフォームや自動車の買い換えといった、まとまった費用です。今後どんな出費があるか、紙に書き出してみるといいでしょう。

生活費の一生分の不足額 + 今後使いたい、まとまったお金(前述の3) = 100歳までの老後資金

ここまでで、おおよその「100歳までの老後資金」が分かります。

 

次の記事「足りる?足りない?「100歳までの老後資金」、実際に計算してみましょう/お金のヒント(2)」はこちら。

イラスト/坂木浩子

 

 

<教えてくれた人>
有山典子(ありやま・みちこ)さん

マネージャーナリスト。証券系研究所に勤務後、専業主婦を経て編集者に転身。マネー誌「マネージャパン」編集長を務めた後、現在はフリーで単行本や雑誌の執筆、セミナー講師などを行っている。ファイナンシャル・プランナーの資格も持つ。

この記事は『毎日が発見』2019年4月号に掲載の情報です。

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