年金生活、心配ではありませんか? 貯蓄をできるだけ減らさず、豊かに暮らすにはどうしたらいいのでしょうか。話を聞いてみると、副収入や賢い節約法、家庭内の会計のコツなどにちょっとしたヒントがあるようです。年金生活を工夫しながらはつらつと過ごしている人の方の例をご紹介します。
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健康と節約を兼ねて散歩は欠かさず
東京都に住む小林登美子さん(69歳)はご夫婦で長く飲食店を営んでいましたが、景気の悪化とともに店を畳み、その後2人とも10年ほど会社勤めを経験しました。したがって公的年金は国民年金プラス厚生年金。ご夫婦でずっと同じ仕事をしていたため、年金も同額です。
「年金だけだと毎月きついのですが、都営団地に引っ越すことができて、家賃が大幅に減りました。とても助かっています」
申し込みを1年に3回続けること5年。やっと当選した都営団地は都心の真ん中にあり、間取りも3Kと2人には十分な広さ。しかも大きい公園が近く、健康のための散歩も気軽にできます。
ご主人の高さんとは毎日近所を散歩する。
買い物に便利な場所なのもいいところ。スーパーのチラシを丹念にチェックし、底値の商品があると多少遠くても散歩がてら買いに行きます。
「シニアの特典があるカードや、シニア割引の日などもよく利用し、なるべく節約を心がけます。洋服だけは必ずデパートで購入するので、出費はかさみますが、それは毎月のデパートの積み立てや、貯蓄から補っています」。
健康には特にご夫婦で気を付けていて、サプリメントの他高麗人参茶を飲んだり、自家製の卵酢ドリンクを飲んだりして体調を整えています。
サプリメントは酵素や腰痛対策用など。薬代よりサプリ代の方が多いことも。
他にも近所で週1回ある健康体操教室に欠かさず参加。7~8人が集まって始めた同好会で、真向(まっこう)法、ヨガなどそれぞれのいいところを取り入れた体操教室です。
「薬などの医療費より、健康でいるためにお金をかけるほうがいいので、これからもこういう暮らしを続けていきたいですね」。
【豊かに暮らすためのヒント】
●仲間と一緒に健康体操
体操教室は1回200円。左はオリジナルの体操を指導する渡邊達也さん。ストレッチと軽い筋トレで、健康寿命を延ばす体作りをサポート。体操後のティータイムもお楽しみ。
●特典を徹底的に利用して節約
5%オフやポイトが多くたまる、シニアの特典がある店を利用。スーパーでの買い物は、チラシを見ながら買い回る。魚などが安い日はまとめて購入し、切り分けて冷凍。
■1カ月のおおよその家計簿(2人分)
2人で同じ仕事をしてきたので、国民年金+10年ちょっとの厚生年金で、夫婦同額。月によって額は変わるが、20,000円程度の配当金が入る。
都営団地は家賃が安く、以前民間のマンションに住んでいたときに比べ、50,000円ダウン。広さは倍以上に。衣服費には毎月5,000円でデパートの積み立てをしている。赤字のときは貯蓄から補てん。
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取材・文/細川潤子 撮影/吉田修三