認知症の予防にも! 名医があなたの親に勧めてほしい「ベジタブル・ファースト」の食べ方

「親が認知症になってほしくない...」介護のことも考えて、そう思う人も多いでしょう。東京医科歯科大学名誉教授の藤田紘一郎先生は「認知症は予防できる病気で、何もしないのはもったいない」と言います。そこで藤田先生の著書『親をボケさせないために、今できる方法』(扶桑社)より、食事と生活の中での「認知症の予防策」についてご紹介します。

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最初は、野菜から食べてもらう

がまんを強いられると、人は不快になりますし、ストレスを感じます。

実は、ストレスも活性酸素を大量に生み出す原因になります。

「認知症にはなってほしくない。だから、白いご飯やお菓子はやめてね」

白米やお菓子の好きな親にストレートに頼んでは、ストレスを与えかねません。

それでは脳細胞の劣化を招いてしまいます。

どうするとよいでしょうか。

まずは簡単に、食べる順番を変えるところから始めてもらいましょう。

血糖値は、食べる順番によってもコントロールしていくことができます。

その食べ方とは、「ベジタブル・ファースト」。

野菜から食べる方法です。

野菜には、食物繊維が豊富です。

食物繊維は消化に時間がかかるうえ、胃腸のなかをゆっくり移動する性質があります。

このため、食物繊維を先に胃腸に入れておくと、そのあとに糖質が入ってきても、ブドウ糖の吸収がゆるやかになるのです。

また、水分を含むと大きく膨らんだり、ドロドロのゲル状になったりして胃腸を刺激し、満腹感を得やすくしてくれます。

おなかが早くいっぱいになるので、「ご飯はなくてもいいかな」と思わせてくれるでしょう。

ただ、目の前に主食があれば、「食べないのはもったいない」と思ってしまうのも人情。

これを防ぐには、最初にご飯を用意しないとよいと思います。

「食事が物足りないようだったら、最後に少しだけよそって食べるようにしたらどうかな」とアドバイスしてみてください。

なお、野菜のあとには、魚や肉などメイン料理を食べます。

これらはタンパク質が豊富です。

タンパク質のほうが、糖質より消化吸収がゆるやかです。

こちらを先に食べることで、血糖値の上昇をもう一歩ゆっくりできます。

そして、「ご飯をやっぱり食べたい」と思うようならば、小さなお茶碗に半分だけ食べてもらったらよいと思います。

ただし、白米よりは、五穀米や玄米など食物繊維をそぎ落としていないお米にしたほうが、親世代の脳にはよいでしょう。

【まとめ読み】『親をボケさせないために、今できる方法』記事リスト

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高齢の親の認知症を予防する「具体的な59の方法」が、4章にわたって解説されています

 

藤田紘一郎(ふじた・こういちろう)
1939年、旧満州生まれ。東京医科歯科大学名誉教授。2000年、ヒトATLウイルス伝染経路などの研究で日本文化振興会・社会文化功労賞、国際文化栄誉賞を受賞。『笑うカイチュウ』(講談社)、『腸をダメにする習慣、鍛える習慣』(ワニブックス)、『デブ菌撃退! つくりおきレシピ』(扶桑社)など著書多数。

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『親をボケさせないために、今できる方法』

(藤田紘一郎/扶桑社)

「70歳を過ぎたら、食生活は変える!」自身も80歳を超えて不調に見舞われた著者が、自身の経験と医学的見地から「朝食を抜く」「週2回、肉を食べる」などをわかりやすく解説。子供の目線から「親への伝え方」まで配慮された、アラフィフ女性にぜひ読んでもらいたい一冊です。

※この記事は『親をボケさせないために、今できる方法』(藤田紘一郎/扶桑社)からの抜粋です。

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