40歳だった私が「14歳男子の継母」になることを決めた日/14歳男子の継母になった私(1)

毎日が発見ネットの連載で「キッチン夫婦(妻)」としておなじみのべにゆうさん。彼女は40歳の時、14歳の息子がいる夫と結婚、以来、8年間にわたって生活を共にしてきました。ある日、中学2年生の多感な男子の母親になる――。継母としていろいろな出来事や、想いがあったと言います。今回は夏の特別連載として、10日間連続で「40歳の女性が、ある日、14歳の継母になった物語」をお送りします。

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14歳ってある意味モンスターだぞ...結婚前の不安と葛藤

私は現在48歳。今から8年前、40歳の時に14歳の息子がいる夫と結婚した。

しかし最初から子供がいる人との結婚を望んでいたわけではなかった。

普通に考えて"難しい"と思うし、途中から一緒に暮らし始めて自分が子育てできるとは到底思えなかった。

それにまだ自分の子供を産みたいという希望もあった。

ただ私が子供の頃にも近くに子連れ再婚の家族はいたし、学生の頃ホームステイしていたカナダでは、子連れ再婚家族はもちろんシングルペアレント家庭、同性夫婦、小さい子供がいてもお母さんの方が出稼ぎへ出る家庭など、いろんな形の家族に出会った。

そのせいもあってか、私はこの結婚に踏み切ることにあまり抵抗はなかった。

正直に言うと、それも子育て経験のない私が考えるようなことだが、子供がいても10歳以下くらいの子供ならいいな、と考えたことはある。

だって14歳ってなると中学2年生。

私よりもう身長があって、当然身の回りのことは全て自分でできるし、たいていの行きたい所にも自分で行ける。

あらためて私が手を貸すことってあるのかな?

急にきた他人にどうこう言われたくないだろう。

家族になろうと入り込むすき間ってあるのかな......。

14歳って甘えを素直に表現できる年齢でもないとも思うし、大人じゃない「完成していない不安定さ」は難しいだろう。

兄弟からは「14歳ってある意味モンスターだぞ」。

友達や知人からは「いきなり14歳の男の子の子のお母さんかぁ」「私には無理だなぁ」「今から他人の子供を育てるっていうのは...自分の子供はいらないの?」などとなんともまぁ、みんな正直な意見をくれた。

実際周りの人にそんな感じで言われると、すごく不安になった。

えっ、私間違っているの...と考えるようになった。

...と同時に、なんで誰も「応援するよ!」ってポジティブなこと言ってくれないんだろうと、悲しくもなった。

やっぱりそれは難しいことだから?

やめた方がいいと暗に教えてくれている感じなのか?

そう思い、ちょっと気持ちが沈んだ時期もあった。

立ち止まって考えてみると、だんだん怖くなっていた。

親としての責任がある。

私にその自覚があるの?

私は、いや夫、息子は私が家族になって大丈夫なの?

大丈夫じゃないかもしれない!!

もっと慎重に考えるべき?

子連れ再婚をした体験記を読んだりしても、子供との付き合い方、心のケアの難しさはほとんどの人が言っている。

やっぱり私、考えてなさすぎ?

いやいや、考えてはいた。

けど、それまでの生活環境や家族構成、それぞれの性格などによっても関係の在り方は違うはず。

子連れ再婚家族はたいていうまくいかないものだとか、難しいことだらけとは限らないと思う。

私はその当時、息子との生活を何より大事にしている夫に惹かれていたのだし、夫の魅力は子供がいてこそだった。

だが、息子との時間をもっと多く作ってから結婚を決めた方が、息子のためには良かったのかもしれないと思うことはある。

...と同時に、過ごした長さでもないのかな...と考えたり、本当の正解はやはりわからない。

十人十色、"これだ"という正解はないとも思っている。

夫が中2の息子に「お父さん、結婚しようと思うんだけど。そしたらお前も一緒に3人で住むことになるんだけどお前どう思う?」と初めて聞いた時から、息子は「お父さん、結婚していいよ」とあっさりと言ってたこと。

私が彼らと一緒に住み始める9か月前、息子と初めて会って外で緊張の食事をした時、好かれた感も嫌われた感もなかった。

けど、ほとんど会話できた記憶はないが"大丈夫そう"と感じたことは覚えている。

そう信じたかっただけかも知れないが、息子にもきっと"大丈夫そう"とは思ってもらえたと感じたことが、不安を少し減らしてくれた。

そうして、私は2012年に夫と結婚。14歳の息子の新しい母親になった。

そう。

大丈夫そうで、大丈夫そうに。

それからは...いい感じで関係を築いてきた私たち(だと思う)。

しかし結婚前、夫が「生活面の注意とかしつけは俺がする」と言ってくれてはいたが、実際はそうシンプルにいくものではなく、割り切れるものではなかった。

それから"私ここでどうしよう....? 何て言ったらいい?"の場面はすぐに、そして度々訪れることになる。

まず訪れたのは、夫不在の夕食問題。

「二人きりで、どう沈黙のない夕食を取るか」が、私の前に立ちはだかることになった...。

つづく

【次回】好きな料理は? 何を喋ればいい? 「夫不在」の気まずい夕食.../14歳男子の継母になった私(2)

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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キッチン夫婦

50代夫と40代妻、大学生の息子の3人家族。ステップファミリー(子連れ再婚家族)になって6年目。4年前から"おいしいで今日も仲良し"をテーマにブログ「キッチン夫婦」を夫婦で運営。主に日々作った料理と家族の日常をのせています。また、地元東北のおいしい食材を伝えたい思いも強く、ブログを続けている動機の一つです。夫婦それぞれが家族を思って作る料理、一緒に食事をすることで生まれる話題や会話を大切にしています。そのことが私達家族の気持ちにつながりができることを実感してきたからです。いつか本当の家族の『絆』ができることを願いながら。いつか将来息子がこの家族を振り返る時期がきた時に笑顔が思い浮かぶように。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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