墓の購入金額は平均で約163万円。共同墓・永代供養墓など墓を持たないケースも増加中

pixta_11713763_S.jpg2012年に行われた葬式についてのある意識調査では、6割以上の人が家族や友人だけの簡素な葬式を希望していると結果が出ました。
誰しもが迎える最期の時。送る側も送られる側も悔いない時間となるように、第一生命経済研究所主席研究員の小谷みどりさんに、今後増えていくであろう葬式の在り方などを伺いました。

前の記事「シンプルな葬式なら費用は約20万円。 ネットを利用で費用が抑えられることも(2)」はこちら。

 

墓の購入金額は全国平均で163万7000円です

葬式が終わると、次は墓です。墓を建てるには、永代使用料と墓石代、そして墓を管理している寺や霊園などに払う管理料の三つの費用がかかります。一般社団法人「全国優良石材店」の2014年度お墓購入者アンケート調査によると、墓の購入金額は全国平均で163万7000円(永代使用料と墓石代)。管理料は年間4000円から1万4000円程度かかるそうです。

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墓が空き家のようになる可能性があります

「墓は物なので、後々のことを考えて購入しないと、社会問題となっている空き家のようになる可能性があります」と小谷さん。というのも、子どもに迷惑をかけたくないと自分の家の近くに墓を買う人がいるそうです。子どもが近所に住んでいればいいのですが、離れて住んでいると、親が亡くなった途端に墓参りする機会が減ってしまう可能性があるからです。

「墓は大事に守らなければいけないと教わってきた60代、70代の人たちの中には、体力、子どものこと、そして金銭的な問題で墓参りに行くことができない人が増えています。そして、自分の代で墓を片付けなければいけないことに負担を感じていますが、それは仕方のないことです」と小谷さんは話します。

もちろん、墓を持たない選択肢もあり、その場合は永代供養墓、共同墓などを利用することになります。最近は、老人ホームが施設近くの霊園などに共同墓を持つケースが増えているそうです。

 

 

◆墓を建てない・持たない例

永代供養墓
承継を前提としない寺の墓で、「永代供養塔」などとも呼ばれています。一定期間を過ぎると合葬され、寺院が半永久的に供養してくれます。


共同墓(納骨堂)
承継を前提としない、公営墓地や民間霊園の墓で、樹木葬なども含まれます。室内にある設備の場合、最近はカードキー式で、墓が自動的に目の前に出てくるタイプもあります。

 

手元供養
自宅に骨壺を安置しておく方法で、「自宅供養」とも呼びます。骨壺の安置場所としては仏壇が多いですが、基本的に家の中のどの場所に安置しても大丈夫です。

 

散骨
粉末状にした遺骨を山や海などにまくのが散骨です。ただ、自治体によっては規制または禁止されている地域もあるので注意が必要です。

 

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取材・文/金野和子


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小谷 みどり(こたに・みどり)先生

第一生命経済研究所主席研究員。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。著書に『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』(岩波新書)他がある。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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