墓を継ぐ人、墓じまい、改葬。 今さら聞けない気になる墓のQ&A

pixta_33730650_S.jpg2012年に行われた葬式についてのある意識調査では、6割以上の人が家族や友人だけの簡素な葬式を希望していると結果が出ました。
誰しもが迎える最期の時。送る側も送られる側も悔いない時間となるように、第一生命経済研究所主席研究員の小谷みどりさんに、今後増えていくであろう葬式の在り方などを伺いました。

前の記事「墓はどうする? 共同墓・永代供養墓など墓を持たないケースも増加中(3)」はこちら。

 

Q:墓は長男が継ぐものですよね?
A:墓は誰が承継しても問題ありません
墓を継ぐことを「承継」といい、継ぐ人のことを「承継者」と呼びます。戦前までは、家を継ぐ人は長男で、長男が墓も承継することが半ば慣習化していました。しかし、いまはライフスタイルが多様化していること、子どもが娘1人という家、子どもがいない家などもあり、昔のように家族で承継することが難しくなってきています。そのため、基本的に誰が承継しても問題ありません。息子が2人いるなら長男ではなく地元にいる次男でも、嫁いだ娘でも、孫でも、さらに親戚でも承継できます。夫婦で、実家の墓をそれぞれ承継するケースもありますし、どちらかが両家の墓を継いでも問題ありません。

 

 

Q:子どもがいなかったり、いてもお墓を継いでくれずに放っておくとどうなりますか?
A:無縁墓として、撤去されることがあります
墓を承継できなかったり、承継しても霊園などに支払う年間の管理料を数年間納めずに放っておくと、無縁墓と認定され、墓地や霊園によっては撤去されることがあります。撤去されなかったとしても、無縁墓として放置されます。子どもがいなくて墓参りができなくても、管理料さえ納めていれば無縁墓にはなりません。中には、買ったのに無縁墓になるのはおかしいと怒る人がいますが、その土地を購入したわけではありません。土地は霊園や寺の所有物で、霊園などから借りているに過ぎません。この借りるための料金が、霊園などに支払った永代使用料です。

 

 
Q:「墓じまい」と「改葬」がよく分かりません
A:墓じまいは墓を片付けること、改葬は墓の引っ越しです
墓を片付ければ(墓じまい)、その後引っ越し(改葬)する必要がありますし、墓を改葬するには、事前に墓じまいをしておく必要があるので、基本的には同じことです。例えば、地方に住む親が亡くなり、地元に墓はあっても墓参りが大変なので、子どもが住んでいる地域に墓を改葬する例などが考えられます。例えとして、名古屋から東京郊外の民間霊園へ改葬したとすると、墓の撤去費用や改葬先の墓の建立費(永代使用料込み)なども含めて二百数十万円かかります。いずれにしても、後々トラブルとなることを防ぐためにも、家族や親族などと話し合いを持つことが必要です。

 

 

Q:夫の家の墓には入りたくありません。実家の墓に入ることはできますか?
A:できます。姓が違っても6親等以内の血族3親等以内の姻族が一つの墓地に入れます
さまざまな理由で、嫁ぎ先の墓には入りたくないという人がいます。もし、自分が亡くなった後に、実家の墓に入れてほしい場合は、事前に承継者の許可をとっておくことと、自分が亡くなった後に実家の墓に入れてほしい旨を遺言などで遺された家族などに伝えておきます。墓地によっては、6親等以内の血族もしくは3親等以内の姻族まで埋葬できると決められているところがあります。自分から見て、いとこの孫なども入ります。実家の墓がどのような基準になっているか確認しておくといいでしょう。

 

取材・文/金野和子


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小谷 みどり(こたに・みどり)先生

第一生命経済研究所主席研究員。博士(人間科学)。専門は生活設計論、死生学、葬送問題。著書に『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』(岩波新書)他がある。

この記事は『毎日が発見』2018年8月号に掲載の情報です。

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