「貴金属など、どこまで処分するものなの...?」/高齢者から寄せられた終活の悩みQ&A

これから人生をよりよく生きるための"生き支度"といわれる終活。すでに始めている人も多いのではないでしょうか? でも、いざ始めてみると、わからないこともたくさん。終活のよくある悩みに、終活カウンセラー協会の代表理事・武藤頼胡さんが答えてくれました。

「貴金属など、どこまで処分するものなの...?」/高齢者から寄せられた終活の悩みQ&A 1910p072_01.jpg

Q 大切な服や貴金属、どこまで処分したらいいか分かりません。

A 「これからの人生に必要か?」 を考え、"選ぶ" ことから始めましょう。

終活の片付けのコツは、"捨てる"のではなく、"選ぶ"こと。

今後の自分の生き方を決め、「これは必要」「これはいらない」と選択していくことが、通常の片付けとは異なる点です。

服や貴金属など処分できないモノが多くあるなら、遺品になりそうなモノを選んで残すのもいいでしょう。

そのような考えを持てば、後に残された者が困るようなモノは自然と処分できるようになります。

モノを減らして身軽になれば、掃除がラクになる上、服や書類も必要なときに見つけやすくなり、生活も快適に。

また、きちんと整理された家は、災害時などに逃げる動線を確保でき、危険を回避できる可能性も高くなります。

Q 服や写真のおすすめの整理法はありますか?

A 自分で時間や期限を決めると整理整頓がうまく進みます。

片付けは基準を決めておくとはかどります。

一度に片付けようとすると大変ですが、「1日15分」「1日1カ所」など自分が達成しやすい目標を決めましょう。

洋服は「1年着ないものは処分」などと言われますが、1年で捨てるのは気が引けるなら、3年など自分で決めればいいのです。

写真はデータ化するのがおすすめ。写真店などに持ち込めば、デジタル化してCD-RやDVDに焼いてくれます。毎日見るものではないので、パソコンを使えなければ、見たくなったときは子どもや友人に操作してもらいましょう。一つにまとまっていれば、家族が見るときも分かりやすいです。

Q エンディングノートの上手な書き方が分かりません。

A 書き方は自由。ノートは心を整理するための一つの道具です。

エンディングノートは遺言書ではありません。「未来への不安を解決できる道具」です。

過去、現在、未来について書くことで物事が整理され、例えば、家族やお金、終末期医療、葬儀のことなど、自分が何に対して不安を感じているのか、何を考えているのかが見えてきます。

そして、具体的な次のステップへと進むことができます。

法的な効力がないからこそ、書き方は自由。何度書き直しても構いません。

書けそうなページから好きなように書くうちに、会いたい人や行きたい場所に気付くことも。

自分の気持ちを正直につづる時間は、自身を見つめる貴重な機会となるのです。

取材・文/笑(寳田真由美) イラスト/石坂香

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<教えてくれた人>

武藤頼胡(むとう・よりこ)さん

終活カウンセラー協会 代表理事。明海大学ホスピタリティツーリズム学科外部講師。「終活」についての大切さを伝えるため、毎月巣鴨、浅草でアンケートを実施中。著書に『こじらせない「死に支度」』(主婦と生活社)。

この記事は『毎日が発見』2019年10月号に掲載の情報です。

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