20代で結婚して、2男1女を授かり、主婦として暮らしてきた中道あんさん。でも50代になると、夫との別居、女性としての身体の変化、母の介護...と、立て続けに「人生の転機」が訪れます。そんな激動の中で中道さんが見つけた「50代からの人生を前向きに過ごすためのヒント」をご紹介。今回は「片づけで見えてきた自分の本当の気持ち」についてです
前回の記事:50代からの暮らしには...大き過ぎる!巨大「婚礼家具」の行く末は...?
片づけを始めて数か月たちました。
開かずの扉の向こうは空っぽになり、普段使うことが無いクローゼットを中心に、今の生活に必要のないモノから順に手放していきました。
子供たちが小さな頃によく使っていたアウトドア用品、テントやタープ。
災害時用にと今まで置いてありましたが、力の衰えを感じる歳になり、あっても使いこなせないと思い処分しました。
自分の力で動かせないモノは持たないことにしました。
一度も日の目を見ることがなかった箱の中で眠っていた嫁入り道具の博多人形。娘に頂いたお菊人形。
それらをご近所の神社でお炊き上げしてもらう為に納めにいきました(その後で体が重くなり、一日ゴロゴロと寝てばかりしていた時には、さすがにバチが当たったのかと思いました)。
持っていることすら、使った記憶も全く残っていない加湿器...。
開かずの扉の向こうは引っ越してきた当時のまま時間は止まっていたようです。
使ってこそモノには価値がある、と思いました。
開かずの扉は要らないのです。
場所があるからモノが増えていくのだと思いました。
3人の子供たちの幼き頃の作品とランドセルは蓋つきコンテナに収納し、3段重ねで保管しておきました。
「いつか開ける時がきたら3人で懐かしんで欲しい」。とっておいたのは母心からでしたが、もう卒業です。どうするのかは子供たちが自分で決めればいいですよね。
「やっていくうちに何かが見えるかもしれない」と考えて始めた片づけ。
「今、自分の理想の暮らしはどんなものなのか?」「いったいこれからどうしたいのか?」
随分すっきりとしてきて、考えがまとまるかと思っていたのですが、どうやら違うような気がしてきました。
「自分の理想の暮らしがあるから片付けられる」。
最初に思っていたのと逆だと思うようになったのです。
もし、今のままでも良いと思うのなら、普段の生活に困ってもいないのに片付けに精を出すことができたであろうか。必要のないことに人は力を出せないと思うのです。
最初から「どんな暮らしをしたいのか」がチラっと頭の中にあったのだと思うのです。「〇〇だから新しい暮らしができない」という自分への言い訳を無くするために片づけ始めたのかもしれないと。
いつでも、どこででも自由に暮らせる人になりたい。そのためにスマートに身軽になっておくこと。それが初めの一歩であると分かっていたのかもしれません。
きっと自分は今の家を出たいんだろうと思うのです。
新しい土地で、犬と一緒に小さな暮らしを立てていきたい。
そのためには「本当に必要なモノしか持たない」という暮らしをまず実践しておきたい。それは「私にもできる」という自信をつけたいんだと思います。そのための助走がモノと向き合う片づけではなかったのかと思う今日この頃です。
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