こんにちは。「キッチン夫婦」というブログを夫婦で運営しているべにゆう(妻)です。
今回は、先日参加した夫の弟の結婚式での出来事を書きたいと思います。
前回の記事:親の老いを思いやりを持って見守りたい。私が感じた五感の変化/キッチン夫婦(夫)
身内だけの少人数での挙式と食事会で、参加者の平均年齢はかなり高めでした。この日は新郎新婦の素敵な笑顔が印象的な1日だったのですが、別に印象に残ったことがありました。それはまず、式が始まる30分程前に起きました。
主人の伯母の着物の帯がないという緊急事態。着付けをしてもらい仕上げに帯を巻く段階で、 着付師さんが「帯どこでしょう?」と。どうやら伯母が帯だけ忘れちゃったらしい。
取りに戻るかという話にもなりましたが、着付けの順番が最後だったし行って戻るまでの時間が足りません。最終的にはプランナーさんがレンタルしてくれる会社を紹介してくれて無事借りる事ができました。
「まぁこんなヘマしてごめんなさいね、お騒がせしちゃって・・・私ってばボケてるわよね」といつも明るい伯母も少し落ち込み気味。
でも、新郎新婦は「こういうこともありますよ」とにこやかに対応。「叔母ちゃんの帯、すごく素敵で良かったですね」と私が言うと 「ねぇ、いいやつでしょ!ホホホ♪」とかなり気に入った様子でした。
一時は、どうしようか?とあたふたした空気が流れましたが、 借りた帯を気に入った叔母のごきげんな様子でかえって場の緊張感がほどけ、皆が打ち解けたような気がしました。叔母ちゃん活躍!?
そして、伝統ある神社で玉串を神様にお供えする厳かな儀式「玉串奉奠」を行いました。新郎新婦の後に両家の両親も前に出て玉串を捧げます。
「新郎のご両親、前へどうぞ」と宮司に呼ばれた両親でしたが、義母(82歳)はなかなか立ちあがることができません。あぐら座りしていた義父はすぐに立てたのですが、義母はそれまで30分ほど正座していました。正座でなくても床から立ち上がるのは高齢になると大変なものだし、着物も着ているからいつもよりも動きにくいのです。
大丈夫かな?と思っていたところ、義母の隣に座っていた夫が補助してなんとか立ち上がりました。でも正面へ行きまた座らなきゃいけなくて、けっこう大変そう。
「二礼二拍一礼をしてください」と宮司さん。
しかし、一礼の後には手を合わせて拝み身動きしない両親。どうも指示の内容が聞こえていないようです。しばしの間のあと、宮司さんに促され礼をして席に戻りました。やはり高齢になると動きのひとつひとつが大変なのです。
挙式の後は懐石会食を2時間半。
今回、帯を忘れた伯母とスッと立てずに困った義母でしたが、その二人が元気元気! なんという元気さ! みんなの中でもこの二人が高齢にもかかわらず、とにかく元気で賑やか声もひときわ大きい。
義母に夫が「お母さん、全部食べたの?」と離れてる席から聞けば、隣にいた伯母が答えてしまう。
「おぉいしかった!全部いただいたよー私!」
「あ、お母さんは?」
「うん、きれーいにいただいたよ!!」
二人の陽気さは緊張感のある初対面同士の雰囲気の中で救いだったようにも思います。二人のおかげで始終和やかな空気が漂っていました。
最近になって自分が年老いた時のことを想像するようになったので、自分だったらこういう時どうするんだろうと思いながら振り返りました。
年をとると、物を忘れたり思うように体が動かなかったり、本当にいろいろあるけれど、2人の明るさが全てを帳消しにしてくれました。
私もいつか年をとったとき、見習うべきは2人の明るさなのかも?と思ったり。
終わり良ければ総て良しを感じた1日でもありました。
この日の懐石料理のお食事で出されたのが、宮城の郷土料理『はらこ飯』。皆「美味しい」と言っていたのでご紹介します。
『はらこ飯』
材料(3合分)
・米 3合
・生鮭 3切れ
・水 適量
・しょうゆ 大さじ6
・みりん 大さじ4
・いくらの醤油漬け お好み量
作り方
①鮭は皮や骨を除く。鍋に水、しょうゆ、みりん、酒を入れて煮立たせ、そこに鮭を入れる。中火で10分くらい火が通ったところで火を止める。※このゆで汁は使います。
②米をといで、そこにゆで汁とゆでた鮭の身をほぐしたのを入れる。水の量はメモリ通り(新米以外は少し多めの水にする)
③いつも炊くように炊飯器で炊く。
④炊き上がったらご飯をさっくりと混ぜておく。
⑤ご飯を盛り付けた上にいくらの醤油漬けをのせれば完成。
新婦のお父様から「はらこ飯も家で作るの?」と聞かれたので、「はい、二人とも作るんですが、夫は土鍋で作るんですよ」と話したら盛り上がりました。
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