銀行の営業は「自分では買いたくない商品」をお客に売ろうとするって、知ってました?/斗比主閲子

こんにちは。斗比主閲子と申します。

アラフォー、既婚、複数人の子持ち、二世帯住宅在住、富裕層(※)です。

※富裕層は純金融資産1億円以上の世帯(野村総研定義)

【前回】100万円投資をして年間4万円の配当!? それでも私が高配当株に投資をしない理由

銀行の営業は「自分では買いたくない商品」をお客に売ろうとするって、知ってました?/斗比主閲子 pixta_70232150_S.jpg

私は投資をし始めてから、ずっとネットの証券会社を利用し続けています。

理由は、リアルの銀行や証券会社経由で投資をすると、営業が面倒くさいことを知っているからです。

この前も銀行に用事があって行ってみたら、「NISAという制度が儲かると聞いたんだけど」と、窓口で相談する女性がいました。

明らかに投資初心者ですが、銀行窓口の人は一見すると懇切丁寧に、しかし、ちょっと投資初心者にはお勧めしにくい金融商品を営業しているのを見てしまいました。

どんな金融商品かというと、債権なのに利率が非常に良い、いわゆる"仕組債"というものです。

投資初心者に仕組債がお勧めできない理由は、その商品の難しさにあるんですが、簡単にいうと、金融庁が地方銀行に対して、仕組債の営業で説明が不十分だと行政指導を連発しているぐらいです。

私は心の中で、「その営業を聞いちゃだめだよー!」と思っていましたが、私はこの女性と他人だし、銀行を利用している一人の客でしかありません。

私の銀行での用事は終わったので、その女性の顛末が気になるものの、後ろ髪が引かれる思いで、銀行を後にしたのでした。

私は銀行にそもそもそんな用事がないので、こういう営業を見かける機会はほとんどないのですが、銀行の窓口でこの手の営業が頻繁に行われているのはよく知っています。

それで、この手の初心者向けではない金融商品を、銀行の営業の人自身は大抵は購入していません。

「そんなにお勧めするなら自分は買ってるんですか?」の質問には、銀行の営業の人は「私は仕事の関係で、購入することはできないんですよ。買えるんなら買いたいんですが」と答えると思うんですが、本音のところでは、自分たちでは買おうとは思わないはずです。

というのも、営業している銀行員さんは、その金融商品の手数料がどれだけ高いか=銀行がどれくらい儲かるかをよく知っているからです。

「たくさん売れば銀行が儲かって、自分の評価が上がる」から、その金融商品を売ろうとしているんですよね。

売っても銀行が儲からないようなものを普通は営業しようとしません。

皆さんご存じの通り、多くの銀行は、リアルな店舗や従業員を維持するのに苦労していますから。

だから、自分たちが積極的に営業している金融商品は、銀行から離れた一人の個人として、資産形成のために有利だとは思わないから、自分では買おうとはしないわけです。

まあ、実際のところ、銀行の営業の人は投資の制限がかなり厳しいんですけどね。

個別の株式はインサイダー取引といって、購入しちゃいけないことになっているし、FX(外国為替証拠金取引)も口座開設さえも出来なかったりします。

そういう意味では、自分は営業をしていても、自分では経験が乏しく、あんまり投資には詳しくなかったりするんですよね。

少なくとも、銀行勤めの私の友人は、私より投資経験が浅い人ばかりです。

いずれにしても、銀行からすると、窓口にホイホイ来て、投資の営業トークを聞いてくれる人は凄くありがたい存在です。

だから、短期の高金利なんかでとりあえず預金をしてもらって、解約は窓口でしかできないみたいな、キャンペーンを使って客引きをしたりします。

私は、この手の営業トークを聞くのが嫌で嫌でたまらないので、たとえキャンペーンがあったとしても、「キャンペーン終了後に、解約でなんだかんだ営業されるのが嫌だなぁ......」と思って、極力窓口には近寄らないようにしています。

投資初心者の人は、銀行で相談をするのではなく、まずは投資の本を探してきて自分で勉強するのがお勧めです。

または、アドバイスに対して手数料を払う形で、ファイナンシャルプランナーを利用してもいいですね。

今日のところは以上です。

投資を始めようとする、どなたかのためになれば幸いです。 ではでは!!

健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
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斗比主閲子

"アラフォー、既婚、複数人の子持ち、二世帯住宅在住、富裕層。旧帝大卒で年収は2000万円"ということになっています。ゆりかごから墓場まで、ありとあらゆる人間関係トラブルの相談を趣味で対応しています。単著『私って、甘えてますか?』(総合法令出版)

※毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

斗比主閲子さんのブログ:斗比主閲子の姑日記

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