家のベルが鳴ったのに誰もいなくって、玄関口には...のどかな町のご近所付き合い

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:みわちゃん
性別:女性
年齢:62
プロフィール:食は健康の源、採れたての野菜で料理を考える日々です。

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私(62歳)の住んでいる町は、川べりを散策できる大きな川が流れています。

気候も温かく、とてものどかな町です。

マンションはあまりなく、そんなに大きくはない戸建ての家が多くあるからか、小さな畑を持っている方もたくさんいて、畑で作物を作るのが楽しみという声をよく聞きます。

朝、ラジオを木にぶら下げ、音楽やニュースを聴きながら、畑仕事に精を出しているお爺ちゃん、お婆ちゃんによく会います。

「おはよー。今、何作ってるの?」

なんて聞くと、畑談義が始まります。

「この野菜はこのように植えるんだよ」

「これは虫がつかないように、こうやって囲っておくのよ」

「ツルものは棒がいるよね。竹の棒を使うのよ。凧あげ大会で使った残りの竹をもらってきちゃった」

などなど、たくさんお話をしてくれます。

ご近所さんたちと仲良くなれる、私にとってかけがえのない日常です。

畑仕事をされている方たちは特に販売をするわけではなく、自分たち家族が食べられるくらいを作っている人が多いのですが、多く出来過ぎてしまうことがたびたびあるそうです。

そんなとき、道端で会うとこんな会話があります。

「ちょっとたくさん作ってしまったから、持っていってくれる?」

「いいんですか?」

「持っていってくれるの? ありがとう!」

私がもらう側なのに、逆に感謝されてしまいます。

じゃがいも、さつまいも、里芋、山芋、玉ねぎ、ねぎ、にんじん、ピーマン、大根、白菜、キャベツ、トマト、なす、とうがらし、にんにく、しょうが。

日常的によく使う野菜から、みかん、びわ、いちじく、柿、とうもろこし、バジル、ミント、いろいろなものをいただいています。

中には、自分で育てた大根を漬けてたくあんにしたものを「食べるけ~?」なんて言いながら、自転車に乗って持ってきてくれたこともありました。

ある日玄関のベルが鳴ったので、外に出てみると、白菜やら、ねぎやら、じゃがいもやらが玄関に置いてありました。

「えっ? 『かさこじぞう』?」

なんてわけはなく、くれたのはご近所の誰か、わざわざ名乗らずにくれる方がいるのです。

今のご時世、値上がりで大変ですが、いつもご近所さんにたくさん助けていただいています。

このような温かい交流をしながら暮らしていければと思っています。

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