こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】えっ、1000人待ち!? 老人ホーム見学で知った「介護の現実」。問題は山積みで.../山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
特別養護老人ホームの見学にやってきた私たち。ひととおり説明を受けたあと
と、促されいよいよ施設内の見学です。
当時『にこにこ苑』は設立5年目のまだ新しい施設でした。
外装の立派さもさることながら、内部は隅々まで清潔感にあふれており、空調や換気の設備が優れているせいでしょうか、排便臭などは微塵も感じられません。
15~6年ほど前に義父母の知り合いが施設に入所したというのでお見舞いに行ったことがあるのですが、その時目にした施設の印象はあまり良いものではありませんでした。
「介護施設というのはこういうところだ」という『がっかり介護施設』のイメージがこの時しっかり植え付けられてしまったのは義父母だけではなかったのです。
しかし『にこにこ苑』はそのイメージを大きく覆してくれました。
中でも一番驚いたのは建物全体がとても開放的なこと。
以前に見た『がっかり介護施設』は、フロアごとに厳しく仕切られ、ドアの上下3カ所の鍵を開錠しないと隣のフロアにすら移動することが出来なかったのです。
利用者の徘徊を恐れてのことでしょうが、異様なほどの厳重さにまるで牢獄のようにも感じてしまいました。
『にこにこ苑』では上下階の移動はエレベーターのみ。
部屋はユニット型の個室でプライベートが適度に守られた形になっていましたが、閉じ込められるという感覚は一切ありませんでした。
しかし、移動の最中、ちょっとした事件が...。
私たちの乗ったエレベーターが到着し、扉が開くや否やおばあさんが1人、乗り込もうとして来たのです。
このおばあさん、扉の近くに居たようでたまたまタイミングが合ってしまったみたい。
すぐに別のスタッフが引き止めに来てくれたので事なきを得ましたが...。
身体が動く認知症の人を見守ることの大変さは私も義母で身をもって経験しています。
ましてや認知症がなくて身体が辛うじて動く義父ならどうでしょう?
開放的で利用者本位に考えられているのは素晴らしいことですが、中のスタッフのご苦労がしのばれるほんの一瞬の出来事でした。
見学に訪れたのはお昼ご飯前。
15~6人ほどの利用者さんが共用フロアに出ていました。
それぞれテレビを観たりおしゃべりしたり。
とても平和な雰囲気だけど...どこを見渡しても
圧倒的に女性が多いことに気がつきました。
この後、別棟の地域密着型のグループホームも見学させてもらいましたが、やはりこちらもほとんど女性。
他にも経済的な要因や、男女の性格の違い(介護する側、される側ともに)などなど理由は様々な説があるようですが、この『にこにこ苑』に限らずどこの施設もその比率に変わりはないと聞きました。
とりあえず見てみようと申し込んだ特養見学。
模索は始まったばかりとは言うものの
義母はともかく義父の特養入所のハードルは予想以上に高いことを思い知る結果となりました。
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