こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】熱中症に要注意! 自分で体調を説明できない高齢者の脱水チェックをする方法/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
『介護は経過も終わりも先が見えないトンネル』
これは介護に携わる人のほとんどが思う言葉かもしれません。
同時進行で始まった我が家の義父母W介護は5年ほど過ぎたあたりから義父義母どちらも急激に負担が増していきました。
どちらか一方を施設に預けることも考えましたが、となれば介護度の高い義母からということになります。
しかし、なかなか行動に移せずにいました。
何故かと言うと...。
もし義母一人が入所出来たとしても
この義父が家に残る限り、私たちが楽になるとは思えなかったからです。
2人同時に入所が可能ならすぐにでも施設探しに走りまわっていたでしょうが、そこは『終わりが見えないトンネル』。
遅かれ早かれ経済的な問題が生じていたでしょう。
次男の結婚式出席のため一時的にお世話になったショートステイの定期利用もそれ以降、やめてしまいました。
こちらも義父が
頑としてショートステイを拒否していたので、2人そろっての利用が難しく、ならば利用のたび具合が悪くなる義母を無理に行かせる必要もないと思いやめることにしたのです。
義母が家に居ることで
わが家の介護のバランスは微妙に保たれていました。
実のところ義母をギリギリまで家でみた1番の理由はこの辺りにあったわけです。
義父のワガママが鳴りを潜めていたのも義母の存在があればこそ。
「はな子の世話があるから仕方ない」と義父なりに遠慮があったのだと思います。
1+1は必ずしも2にあらず。
義父の身の周りから少しでも離れることで介護者である私のストレスはずいぶん楽になりました。
顕著な例は『歯磨き』です。
シモの世話は放っておくと家じゅう大変なことになってしまうので仕方なくやっていましたが、義父の歯磨きはどうにもこうにも抵抗MAX。
義母の歯磨きは
夫も私も何の抵抗もなく出来るのに義父には気持ちが全く向きません。
当人の素直じゃない性格が最大の要因と言えますけどね...。
ちょうどその頃かかりつけの歯医者さんが義父に『音波ブラシ』を勧めてくれました。
手先の自由が利かなくなった義父でもこれを使えばきれいに磨くことができます。
嫁や息子の言うことは聞かなくても『お医者の言うことは絶対タイプ』の義父です。
これで歯磨きは万全だぁ...と喜んだのも束の間
義父、『買ったことで全てが解決しちゃうタイプ』でもありましたわ(笑)
口腔衛生を怠ると肺炎の原因にもなるとか、歯槽膿漏が様々な病気を引き起こすとか、歯磨きが大事なことは分かってはいるものの
それでも拭いきれない義父の歯磨きジレンマ。
終わりが見えないトンネルを走る間「自分でやれることは自分でやって」と介護者の気持ち優先。
この介護スタンスはしばらく続くのでありました。
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