こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】脈拍や血圧の数値が気になって仕方ない義父。なのに「ソレ」は気にならないの!?/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
デイサービスの利用は増えたものの
2人同時に利用する日は水・木・土の3日間です。
ただそれさえも当人の体調次第で休むこともあり、予定通りにはいきません。
また、水・木は貴重な平日ですが、義父母がらみの役所手続きなどもこの日に集中するなど介護者自身の用事は二の次になることも少なくありませんでした。
義母だけが家にいる日は徘徊が心配で目が離せないため、
家から出ることも出来ません。
そんなこんなでなかなか行けなかった私の美容院。
そろそろ行きたいなぁ...。
何とか時間が空いた金曜日。
義父在宅の日でしたが「じいちゃんなら1~2時間ぐらい家を空けても大丈夫でしょ」と髪を切りに行くことにしたのです。
幸いなことに美容院は空いており1時間半ほどで施術は終了。
ついでに義父から頼まれた買い物を済ませ、気持ちよく帰って来たのですが...。
居間にいた義父を見るなりそのいい気持ちも瞬時に消え失せてしまいました。
何でヘルメットなんか被ってんの!?
外出する時は怪我防止のため必ずヘルメットを被る義父です。
じゃあ、私が出かけている間に家の外へ出ていたってこと!?
怪訝な顔の私をよそにワザとらしくヘルメットをかぶっていることを義父はアピールする素振り。
長年の付き合いですから義父が考えていることは表情を見れば大体分かります。
自分がしでかした武勇伝を披露したくて鼻がピクピクしてるんですもん(笑)。
そこは手練れの介護嫁。
その手は桑名の焼き蛤(え?死語?)とスルーで通過。
その後庭で、不揃いに切られたあじさいと小袋に詰められた枝や葉っぱを発見し、
『犯行』は容易く判明しました。
義父、庭のあじさいの剪定(いや、ギロチン)を執り行ったようです。
...と、言うのもこの『犯行』。
今回に限ったことではなく、昨年も同じことが...。
庭師さんに頼んで形よく剪定してもらってあったにも関わらず、義父は息子の代に代わった庭師さんが気に入らないとこの時もあじさいの枝を『ぶった切り』にしていたのです。
それに懲りて植木ばさみは全て義父の目の届かないところに片付けておいたのに...。
ああ。分かりました!
これまたワザとらしくテーブルに置かれていた『ペンチ』。
『凶器』はおそらくコレでしょう。
今では家の外に出ようにも伝い歩きが出来る範囲までしか行けないはずの義父です。
嫁が出かけるチャンスを伺い(見つかったら速攻で止められるのは百も承知ってこと)、仕込んでおいた『凶器』を携え、
庭に面した居間の掃き出し窓をズリ下りてほふく前進。
あじさい剪定に執念を燃やす義父が目に浮かぶようです。
何が彼をそこまで突き動かすのか?全くもって理解に苦しむのではありますが...。
時は4月の終わり。
花芽がぼちぼち出始める頃でありました。
開花を楽しみにしていたあじさいは今年も無残な姿となりにけり(泣)。
元気な頃は庭木の手入れが趣味のひとつだった義父。
はしごを使って松の剪定までこなしていました。
それも今では果たせぬ夢。
庭の木の中で唯一灌木(低い木)のあじさいを切ることで「まだまだワシはやれる」ことを自身で確認したかったのかも知れません。
ただ、家の中を歩くのさえ覚束なくなっている義父です。
今回、怪我がなかったのは不幸中の幸いでした。
義母だけでなく義父も目が離せなくなってきたってことですね。
さて、この恒例行事。
来年も繰り広げられるのでしょうか?
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