「それは故人が喜んでいる証拠」亡き父は、孫の手作りお菓子がうれしかったのかな?

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:とらとら
性別:女性
年齢:53
プロフィール:アラフィフ兼業主婦。昔は息子とお菓子作りをよくしていました。

「それは故人が喜んでいる証拠」亡き父は、孫の手作りお菓子がうれしかったのかな? 2.jpg

今年53歳になる兼業主婦です。

10年ほど前の出来事で、現在19歳になる息子がまだ小学生の頃の話です。

当時、私の息子はクッキー作りにハマっていました。

料理が好きなわけではなかったのですが、科学の実験が大好きでした。

その延長線上なのでしょうか、分量をきちんと量って手順を考えながら作る料理は実験に似ていると思っていたのかもしれません。

そして実験と同じく、手順や分量が正しければ美味しくなることが息子の中で面白かったのだと思います。

小学生ですし、そこまで器用なほうではなかったので、意外と簡単に作れるクッキーにハマったのでしょう。

暇があればクッキーを作り、それをいろんな人におすそ分けしていました。

ある日、私の亡き父(享年71歳)のお墓参りに息子を連れて行くと、息子は前日に私と一緒に作ったクッキーを「じいちゃん食べてな」とお供えしていました。

てっきり前日「クッキー作りたい」と言い出したのは私の実母(77歳)に渡すためだと思っていたのですが、父にお供えする分も用意していたなんて正直驚きました。

我が息子ながら優しく育っているなとほっこりしました。

でも、息子が父のお墓にクッキーを供えたとき、少し不思議なことが起こったのです。

私の実家では複数人でお墓参りに行ったときは、10本のお線香をお供えするのが決まりでした。

そのときも同じように線香をあげると、息子がクッキーをお供えしたとたん、10本のお線香が線香立ての中でパッと花のように広がったのです。

まるで、パスタを鍋の中に入れたときのような、きれいな円状でした。

そんなこともあるんだなと思っていたのですが、たまたま通りがかった住職さんが「それは故人が喜んでいる証拠なんだよ」と教えてくれました。

住職さんはそう言って軽く会釈して歩いて行ってしまったため、喜んでいるとどうしてお線香がそうなるのかは詳しく聞けませんでした。

その後、仏具店でお線香を買う際にふと思い出して店員さんにその話をしてみると、こんな話をしてくれました。

「多少地域差はありますが、線香はその煙と香りを通じて、故人と心で交流するために焚かれることが多いんです。パッと花が開いたように感じたのであれば、お香で御父様が喜びを表現されたのかもしれませんね」

そういう不思議なこともあるのだなと感じた体験でした。

息子も私も、今でもお墓参りに行ったときは「喜んでくれてるかな」とお線香立てを見ながら手を合わせています。

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