こんにちは山田あしゅらです。
義両親の在宅介護の様子を嫁の目線で綴った ブログ『13番さんのあな―介護家庭の日常―(現・13番さんのつぼ)』。
ここに書いてきた13年間の記録をもとに今の気持ちを織り交ぜつつ、改めて当時のことを振り返ってみようと思います。
【前回】義父が風呂に入った後の「強烈な臭い」。ずさんな隠蔽工作で阿鼻叫喚の大惨事!/山田あしゅら
【最初から読む】義両親の様子がおかしい...介護生活がはじまった日/山田あしゅら
ケアマネおーさんとの説得の末、めでたく実現した義父週4のデイサービス。
月・水・木・土が義父の利用日、
火・水・木・金・土が義母の利用日となりました。
義父母が二人そろって家に居ない日が水曜日と木曜日と土曜日の週3日となったのは介護者の私にとって大変ありがたいことではあります...が、
それは束の間のシンデレラ。
9時に時に送り出してから5時の迎えまでの限定的な自由ですし、利用できるかどうかは両人の体調次第。
私の予定の実行も、彼らの朝の状況にかかってくるわけです。
その上、別々のデイサービスに通う2人。
利用日の朝はそれぞれのデイサービスに合わせた準備が必要です。
利用を始めた頃はその準備もバタバタすることが多かったのですが
デイサービス利用歴も義母が6年、義父が2年となり、送り出し作業も工夫を重ね、ずいぶん慣れてきました。
しかし、その「慣れ」が怖いんですよね...。
歩行がますます難しくなった義母。
移動に時間がかかるため着替え、朝ごはん、歯磨きの介助を済ませるとデイサービスの送迎車が到着するまで玄関に置いた椅子で座って待ってもらうことにしていました。
わが家に到着する前に、何人かの利用者をピックアップしてくるため、送迎車の到着時間はその日によって違います。
道路が渋滞していたり、前の利用者さんの乗降に手間取っていたりすると予定時間からかなり遅れることはしょっちゅうでしたし、思いがけず早く着くことだってあるのです。
この日は道がかなり混んでいたらしく、義父のデイサービスも義母のデイサービスもなかなか来ませんでした。
貴重な『シンデレラデイ』。
実家へ行く用事があった私は少々焦っていたのです。
実家まで片道1時間近くかかります。
送り出したらすぐに自分も出たいから、それまでに家事を済ませておかなくちゃ。
キッチンの戸を開け放し、玄関の義母の様子を時々伺ってはいましたが、この頃トンと自分から立ち上がって動くことのない義母に油断がなかったとは言えません。
いつもより30分近く遅れてやっとインタフォンが鳴りました。
先に到着したのは義父のデイサービス。
居間で横になっていた義父を起こし玄関へ向かうと
座って待っているはずの義母の姿が消えているではないですか!
一人で歩けないはずの義母。
でも、何かのきっかけでスイッチが入ると普段出来ないことが出来てしまう認知症パワーがこの期に及んで久々発動してしまったようです。
慌てて外へ飛び出すと、車庫の柱にしがみついている義母を発見しました。
いつもは抱えるようにして下ろすアプローチの段々をどうやって1人で下りたのか...。
理解をはるかに超える認知症の不思議です。
しかし、不運が重なればデイサービスの送迎車にひかれていたことも考えられます。
ゾッと青くなった朝の事件でありました。
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