「同居は困る。お金だけ援助して」親子関係が破綻しても「家の名義」にこだわった義両親との決別

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ボーダーズ
性別:女
年齢:40代
プロフィール:念願のマイホームでやさしい夫とネコとのんびり過ごしています。

「同居は困る。お金だけ援助して」親子関係が破綻しても「家の名義」にこだわった義両親との決別 4.jpg

夫が40歳、私が35歳だったときのことです。

20代で家を建てた夫は「家のローンは俺が払ってるから、新婚でもアパートに住むことはできないよ。(両親と)同居だけどいい?」とプロポーズしてくれました。

夫は、義父と共同名義でローンを組んでいました。

ただ、共同名義は書類上だけで、支払いはすべて夫。

ローンは義父の口座から引落しなので、夫は給与が出ると10万弱を現金で手渡ししていました。

結婚後もそれは変わらず、子どもが欲しくて私が家庭に入っても夫の収入からマイナス10万円されるので生活できなくなりました。

そこで調べてみると、ローンを借り換えることで、返済期間は長くなるけれど毎月の返済額を減らせることが分かりました。

さっそく義両親に相談してみたのですが、義父から「借り換えをすると名義から俺が外れる」と反対されてしまいました。

舅は当時70歳をすぎ、収入といったら家庭菜園とわずかな内職と年金のみ。

そもそも義父は、自分だけではローンが組めないので息子と共同ローンを組み、息子のお金で買った家を「自分の家」「俺の家に息子夫婦を住まわせている」と触れ回っていました。

私たちは同居を維持しながら、義両親に負担なく生活する方法を考えているのに、義父は家の名義や世間体ばかリ主張し、受け入れてくれません。

そこで、私が仕事を始めることで、なんとかローンを払いながら生活できるようになりました。

子どものことを半分あきらめ、気持ちに余裕がなくなった状態の中、私と義母の不仲が加速しました。

夫は義母に私に対する態度を改めるよう話してくれたのですが、姑は「出ていきたければ出ていけばいい」と激怒。

これに夫が冷静に「出て行ったら生活はどうするんだ」と言うと「お前には関係ない」と言われたそうです。

夫はその後も話し合いを重ねましたが、ある日の夜「もうアパートをさがそう」と私に告げました。

借り換えは拒否、私への暴言は改善されず、夫もついに決断したのです。

翌日からアパートを探し家賃5万円の部屋に決めました。

ここまでスムーズにいきましたが、もし、ローンの引き落としが夫の口座からだったら、もっと大変なことになっていたと思います。

ある意味ラッキーでした。

家を出て最初のローン引き落とし日、「大丈夫かな」と心配する私に夫は「ほおっておけばいい」と言いました。

吹っ切れた様子の夫がたくましく見えました。

親戚の情報によると、義両親は独身の夫の弟に泣きついたらしく、なんとかやっているとのことでした。

しかし、別居してから8年、義弟の結婚が決まり援助が突然打ち切られた義両親は、夫を呼び出し「お金を援助してくれ」と再び頼ってきたのです。

夫はこれまでのことを水に流し、もうローンが終了間近であることや、私たちに子どもができなかったので教育費などの心配もなくなったこと、そして再び同居することで一括返済ができると提案しました。

ただ家は多少リフォームし、2世帯の生活空間を分けることが条件です。

ですが義母は「同居は困る。お金だけ援助して」と...。

ここまで助けようとしているのに、自分たちのことしか考えない義両親に夫はついにキレました。

夫は実家の半分ある名義を義父に譲渡。

夫の「もうあんな家いらない」の言葉が、私には「もうあんな親いらない」と聞こえました。

その後、夫は私と2人で静かに過ごせる家を建てました。

義両親から解放された夫から「ありがとうね。目が覚めたよ」と言われました。

2人の幸せを選んでくれた夫にこちらこそ感謝です。

ちなみに義両親は、今も義弟に泣きついてなんとか生活しているようです。

義弟が頼れなくなったらどうするのでしょう。

もう私たちには関係ありませんが。

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