「命を投げ出してでも守れ」小学校の旗当番で先輩ママの強要。「無理がある!」と反論した結果...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:むらまゆ
性別:女
年齢:44
プロフィール:44歳専業主婦です。息子は17歳です。

「命を投げ出してでも守れ」小学校の旗当番で先輩ママの強要。「無理がある!」と反論した結果... 41.jpg

息子が小学校に入学した11年前の話です。

当時私はフルタイムで仕事をしていたので、近所の人との交流は全くありませんでした。

そんな中、入学直前に手紙が送られてきました。

「入学おめでとうございます。つきましては4月以降の旗当番の説明をしますので、3月○日にお子様と一緒に○○の多目的ルームにお越しください」

初めての集まりなので、非常に緊張しながら行きました。

そして、先輩ママを含め20人全員の自己紹介から始まり、旗当番の説明が始まりました。

「旗当番は二人一組で行います。基本免除の規定はありません。そして時間は7時半と15時半の2回、朝は4カ所、帰りは1カ所です。非常に危ない道路を担当するので、幼稚園入園前のお子さんと一緒に旗当番をせざるを得ない方や現在妊娠中の方は免除します。保育園に入園中の方はお子さんを預けることができるので免除できません。以上です。何か質問は?」

これに対して2人から質問がでました。

「子どもは保育園に預けていますが、時短勤務中で保育園に預ける時間前なので難しいですがどうすればいいでしょうか?」

「母親を介護中でなかなか目を離せません」

これに先輩ママからの返答は明解でした。

「みんなだって苦労した道です。免除はしません。自分で考えて!」

結局免除を認められたお母さんは、妊娠中の人と出産したばかりの2人のみ。

威圧的な空気の中で、不安を感じました。

そして、旗当番がスタートしました。

朝は4カ所を見回るのですが、1カ所が終わったら次の場所に子どもたちより早く着くために自転車で先回りします。

それを4カ所行うのですが、4カ所目ともなると結構ヘトヘトです。

私は旗当番用のジャンパーが蒸れてしまったので、脱いで肩掛けにして胸元で袖を結び(俗にいうプロデューサー巻き)、トートバックを肩に掛けて4カ所目を対応しました。

そして子どもをすべて見送り終わった後、先輩ママに呼び止められました。

「この場所は以前、旗当番中に当番の人の死亡事故が起こったことがあるくらい危ない場所なの。トートバックを肩に掛けてたら子どもが飛び出したときに咄嗟に守れない。ジャンパー(蛍光色)は着ないと目立たなくて運転手からは見えない。真面目に旗当番しないと死ぬよ」

驚きながらも、死亡事故が起こるくらい危ない場所ならプロの人を役所が雇えばいいのに...と思いましたが、当時は新参者なので素直に聞きました。

翌年うちは転校したので、たった1年間の旗当番でしたが、有給は減るし、なぜかコンビになる先輩ママはこの「死ぬよ」発言の方ばかりだったので精神的にキツいものでした。

そして転校間際の3月中旬、当番の日にこの先輩ママからまた非常にびっくりすることを言われました。

「何かあったときは、自分の命を投げ出して他人の子でも守ること。以前交通事故の話をしたよね。そのお母さんは他人のお子さんを守って命を落とした素晴らしいお母さんなんだよ!」

私はこれを聞いて思わず言い返してしまいました。

「私は、あなたや亡くなったお母さんのように命を投げ出すことはできません。できる限りのことはします。自分の子だったら命を投げ出すことはできます。でも他人の子に同じことを行うことはできません。もしうちの子が飛び出してしまったとき、他人のお母さんに守ってもらわなくてもいいですから」

これに先輩ママは、「あなたがすごく非常識な人ということだけはわかった!」と言いました。

確かに他人のお子さんのために命を投げ出して守ったお母さんの行動は素晴らしいと思います。

しかし全てのお母さんに強制するのは無理があると思うのです。

非常識でもいいです、息子にとっての母親は私だけなので...。

そして月日は流れて2020年の年末、たまたまこの4カ所目の旗当番の場所を通りました。

すると、旗当番のお母さんではなく、プロの方が立っていたので本当によかったと思いました。

これからも悲しい事故がなくなるように祈るだけです。

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