「どの機種にするの?」「スマホでいいの!」な両親に一から使い方を教えて感じた高齢化社会の課題

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:くますけ
性別:男
年齢:48
プロフィール:IT業界につとめる50歳手前の会社員。妻と2人で首都圏に在住。

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私の両親は自宅から自転車で30分程度の距離に住んでいます。

78歳の父、77歳の母、2人とも幸いこの歳まで大病を患ったこともなく、介護の必要性などを全く感じさせないほど元気に暮らしています。

そんな両親から2020年末に現在利用しているガラケーのサービスが終了するため、スマホに乗り換えなければいけないので、いろいろ教えてもらいたいと連絡が来ました。

「これは苦労するかも!」

これがそのときの正直な気持ちです。

なぜなら両親ともにスマホはおろか、インターネットというもの自体と縁遠い生活を送っていたからです。

ガラケーでメールの送受信くらいはできるものの、ウェブサイトなどへの接続など一度もやったことがありません。

「どの機種にするの? アンドロイド? iPhone?」

「何それ? スマホでお願いと言ってるじゃない? スマホでいいの。選びたくないのよ面倒だから」

そんな返事が来る始末でした。

これはもう全て私がやった方がスムーズに事が運べると決心しました。

「俺が全部手続きとかするから、お店に行く段階になったら一緒に来てくれるだけでいいからね」

まずは近所のA社の店舗に電話しました。

事情を説明し、いろいろとご迷惑をおかけするかもしれませんが、よろしくお願いいたしますと伝えました。

その店舗は周りに高齢者の方々が多いため、その辺は慣れておりますのでご安心くださいと、心強いお返事をいただきました。

ただし、できれば息子さんもご一緒にご来店をお願いできればということでしたので当然伺いますと約束しました。

先に両親にある程度スマホについての知識を教えるため2週間程度の猶予をいただき、訪問日を確定。

その間に、私がインターネットやスマホの説明資料をパワーポイントで作成、毎週土日に実家に行き、一から両親に説明会を行うことになりました。

iPhoneとアンドロイドの違いは車好き、野球好きの両親が分かりやすいように日産とトヨタの違い、またはセ・リーグとパ・リーグの違いみたいなものだと。

でも両方とも車とプロ野球には違いがないと理解してもらいました。

その際、以前から気になっていたメール文面に誤字脱字が多い理由を聞きました。

両親によればメールは打とうとした瞬間、要するにガラケーをパカっと開けたときから通話料が発生するため、早く打って早く閉じる必要があるとずっと考えていたためとのこと。

この説明を聞いたときは眩暈がしましたが、黒電話で受話器を上げたときはまだ通話料はかかっていないよね? ダイヤル回した時も通話料はかかっていないよね?

さらに、相手と話し始めてから通話料が発生するよね? と説明し、パカっとガラケーを開けるのが受話器を上げた動作で、メールを打つのはダイヤルを回す工程と一緒であることを説明しました。

また、IDとパスワードがなぜアプリごとにあるのかは理解できなかった際は、銀行ごとに口座番号とパスワードを決めるよね? それは当たり前だよね? と日常生活にあることに例えて説明しました。

紆余曲折を経て、今ではなんとかLINEも使えるようになり、なんとかワクチン接種の申し込みまでにはスマホの使い方を理解してもらいたいという私の目標を無事クリアしました。

2回目の接種予約まで自分で行うことができるようになり、本当によかったです。

今回は自分の両親だったため、ときに怒り、ときには励まして理解してもらいました。

しかし、今後ますます高齢化社会が増えることを考えた場合、いかにして高齢者の方に最先端技術を教えていくべきなのか、良い教訓として学ばせてもらいました。

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