食欲がわかず体重も激減...うつ症状と診断された私が自らに課した荒療治「じゃあ、仕事しよう!」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:NUTS
性別:女
年齢:53
プロフィール:会社員。自営業の夫と社会人の息子と大学生の娘がいます。

食欲がわかず体重も激減...うつ症状と診断された私が自らに課した荒療治「じゃあ、仕事しよう!」 38.jpg

今から3年前、ちょうど50歳になった頃のことです。

私は事務職の正社員。

夫(58歳)は自営業で、子どもたちは当時2人とも大学生でした。

それは、突然始まりました。

私の中から「食欲」が消え、全くお腹がすかなくなったのです。

普段、どんなにお腹がいっぱいでも食べられるアイスクリームでさえ、食べたいと思えなくなりました。

ついつい手が伸びてしまうおせんべい、スナック菓子、ヨーグルトやプリンでさえも、食べたいと感じなくなったのです。

朝昼晩の食事はもちろん食べる気分になりません。

空腹感も感じないのです。

それでも身体のことを考えて食べなくちゃと思うのですが、朝食はお味噌汁1杯、昼はゼリー飲料を流し込み、夜はヨーグルト1個を口にするのが精いっぱいでした。

そんな日々がなんと3カ月間続きました。

若い頃から身長163センチ、体重60キロオーバーという「がっしり、ポッチャリ体形」を維持してきたのですが、みるみるうちに50キロを切るほどに体重が落ちました。

周囲からも痩せたねと褒められるのではなく、大丈夫かと心配されるほどの変わりぶり。

なにせ洋服はLLサイズだったのに、Mサイズを余裕で着られるようになってしまいましたから。

痩せ始めた当初は、自分でもちょっと喜んでいました。

体がとても軽いのです。

靴のサイズまで変わってしまったのは困りましたが、嬉しさが勝っていました。

ただ症状が3カ月を過ぎた頃、筋力も低下して、ペットボトルのキャップさえ開けられなくなった時、一気に不安が押し寄せたのです。

「このまま、食欲が戻らなければ、私はどうなってしまうのだろう」

不安で怖くなると同時に、動悸も頻繁に感じるようになり、家にいる時は涙が止まらなくなりました。

この時の私は、今ちょっとメンタルが弱ってしまっているなという自覚がありました。

でも、いつまでも続かないのだからと自分で自分をなだめるように過ごしていたのです。

息子の就職はうまくいかないし、夫の事業は不振、原因として考えられるものはいくつかありましたが、私自身は正社員として、少ないながらも安定した収入があります。

思い悩んでも仕方がありません。

そう頭では理解できるのですが、感情が暴走するのです。

婦人科での診断結果は、更年期障害ではなく軽いうつ症状ということで、漢方薬を処方してもらえました。

でも、薬を飲んでも目に見えて良くなる気配はなく、家にいるとボーっとしたまま一日を過ごしてしまいます。

そんな自分が本当に嫌でした。

食事量は少しずつ増えていきましたが、不安感や動悸は続きました。

そこからさらに3カ月、私、自分にキレました。

家事や趣味もやる気がおきない、やる気が起きないなら、やらなければならないことを増やそう、と。

「仕事しよう」と決めたのです。

そこで副業OKとの許可を会社からもぎ取り、週1で派遣で働き始めました。

乱暴な考え方だと思いますが、その時の私は必死でした。

新しい景色、新しい場所、新しい仕事。

そしてちょっぴりの収入というご褒美。

忙しくなった分、家事やその他を手抜きしても自分に言い訳ができる。

夫や家族は静観してくれていました。

これが正しい対処法だったのかは分かりません。

ただ、私はそうしたことで楽になれました。

今でも突然の不安感や動悸がありますが、慣れと忙しさでやり過ごす技が身につきました。

体重だけは元に戻りすぎて、悔やまれますけれど。

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