「なんてわがままな嫁だ」義父母の言いなりで新生児を抱えて引っ越し!? 「元夫」との波乱の新婚生活

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:茉莉花
性別:女
年齢:51
プロフィール:アラフィフのシングルマザーです。3人の子どもがいます。

「なんてわがままな嫁だ」義父母の言いなりで新生児を抱えて引っ越し!? 「元夫」との波乱の新婚生活 32.jpg

今から約20年前のお話です。

当時、バリバリのキャリアウーマンだった私にも彼ができました。

仕事は楽しいものの、ずっと「おひとり様」だと寂しいなあと思い始めた矢先にできた彼。

初めて会った時から、子どもが欲しい、早く結婚したいと言っていました。

ちょっと強引な彼になぜか惹かれた私は、その雰囲気にのまれるようにお付き合いを始めました。

彼は実家暮らし、私はアパート暮らし...察していただけたでしょうか、すぐに彼は私の家で寝泊まりを始めました。

半年後、彼の思惑通り、私は妊娠してすぐに入籍しました。

彼の実家とアパートは車で1時間くらいの距離でしたが、初めてのつわりがきつく、入籍後、きちんと挨拶しに行くこともできずにいました。

仕事も休みを取りながら続けていて、ようやく安定期に入ったところで、義父母宅への訪問が叶いました。

「あなたはずっと働きたいんだろう? 生まれた子の面倒は見てやるから、この近くに家を買いなさい」

初めて会ったばかりの義父母のそんな言葉に私は面食らってしまいました。

夫は事前にその話を義父母からされていたようです。

「それがいい。子どもの世話もしてくれるって言うんだから喜んで頼ったらいい」

いや、そんなことは聞かされてもないし、ずっと働きたいだなんて、そもそも言ってないし...。

そのの私は、今住んでいるアパートで2人で子どもの世話をしつつ、ゆるゆると共働きが続けられたらいいなあくらいにしか思っていませんでした。

夫もなるべく実家の世話にならずに、2人で育てようという話をしてたのにいきなり主張を変えたのでただただ驚いていました。

義実家の近くに引っ越すと私の仕事場までの通勤距離はそれまでの3倍、時間もかかります。

さらに義実家の近くには公共交通機関がなく、何をするにも車が必要になる土地。

何より、夫がすでに子育てを両親に丸投げする気満々なのが感じられて、愕然としてしまいました。

いったい私は誰の子を生もうとしているのか...。

何一つ利便性を感じない場所に引っ越ししたくないと、私なりに精一杯反論しましたが、私の主張を夫も義両親も聞こうともしません。

「好きに働かせてやろうと思って好意で言っているのに、なんてわがままな嫁だ」

などと言われてしまい、お腹の子にストレスがかかるのがかわいそうでそれ以上言い返すのを止めました。

平日はがっつりと仕事、胎動も始まった大きなお腹を抱えてようやく迎える週末。

それなのに、車で1時間の実家に呼び出され、周辺の空き家探索というルーティンが妊娠後期に繰り返されました。

初めての妊娠なのに、落ち着いて家でのんびりすることもできないなんて、あり得ない...。

でも夫にそれを訴えたても「父母はお前のためを思って引っ越しを勧めてくれているのに」というだけで、義父母の所へいそいそと私を連れて行きます。

私の味方にはとうていなりっこありません。

引っ越す前から、お腹の子も私も大切にされてないなと感じるところへ行って大丈夫なのか...不安ばかり募りました。

誰にも分かってもらえないまま、家探しは粛々と強行され、臨月直前に義両親と夫のお眼鏡にかなう物件が出ました。

敷地はそこそこの広さでしたが、やたら庭の面積が広く、建物はちんまりした印象です。

その庭を手入れするのはいったい誰なの? という感じでしたが、その時点で家のことを考える余裕はありませんでした。

折しも時期は真冬、当然、物件内に暖房はありません。

寒さに震え、張るお腹を撫でながら早く帰りたい、そればかり思っていました。

結局、最後に見た物件を購入するに至ったのですが、築30年越えの中古住宅は、襖も畳もボロボロでリフォームしないと住めたものではありません。

新生児を抱えながら業者と相談し、少しでも住みやすいようリフォームを繰り返しました。

もちろん住宅ローンも改修費も私たちが出し、あれだけ口出しした義父母は一銭の助けもなし。

いったい、この家は誰が望んで手に入れたものなのでしょう...。

この時に感じた気持ちの悪い違和感は埋められることなく、夫とはその後離婚することになります。

私にとって嫌な思いしかない家は、「元」がついた夫のものになりました。

離婚の際、家の所有権を争う夫婦もいるそうですが、何の未練もありませんでした。

離婚までいろいろありましたが、「あの家族、そしてあの家と離れられる!」という解放感は、今でも忘れられません。

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