<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:43
プロフィール:家族は夫と子ども2人。夫の実家のレストランを手伝いながら、義父母と半同居生活をしている主婦。
夫は47歳の会社員で営業部に所属しています。
夫の会社では、リモートワークを推進しているため、コロナ禍になった現在、出社するのは週に1日か2日で、大半は在宅で仕事をしています。
2020年の年末前に5日連続で出社した際、久しぶりに仲の良い同僚たちと顔を合わせたようです。
しかし、入社当時からお世話になっていた先輩(50歳)から、3月いっぱいで退職することを聞かされ少し寂しげに帰ってきました。
その2日後、プライベートでも仲良くしていた後輩(43歳)とも久々に顔を合わせ、偶然彼も3月いっぱいで退職をすることを聞いて、がっかりして帰ってきました。
その後、しばらく元気がなかったのですが、そのうち普通に戻るだろうと私は大して気にしていませんでした。
しかし、夕飯時に毎回食べ物やお汁などを洋服にこぼし、ティッシュで拭き取っていることに気付きました。
夫自身も自分がこぼしてしまうことに苛立っている様子でしたが、そのうちティッシュを取りに行かなくなったので、横に座っている私は「こぼさなくなった」と思っていました。
ところが、夫の前に座って食べている娘(17歳)は別のことに気づいていました。
「ママさぁ、パパがご飯食べてる時ぽろぽろこぼしてるの気付いてる?」
そう言われて驚きました。
「少し前はこぼしていたけど、今はこぼしていないでしょ? ティッシュで拭いてないし」
「こぼしっぱなしだよ」
娘の言葉にはっとする思いでした。
夫はとても神経質なので「こぼしっぱなし」という娘の言葉が信じられませんでしたが、娘の言っていたことは本当でした。
そしてある日、夫がこぼして床に落とした肉を飼っている犬が食べようとしました。
私と息子は慌てて犬が食べないように動きましたが、夫は一点を見据えたまま固まっていました。
以前なら、一番大騒ぎしていたのに...。
そして、しばらくすると何もなかったかのように無言で黙々と食事を始めたのです。
それも一度ではなく、犬が食べてしまった時は「食べちゃった」と力なく笑っている時もあります。
「これは、本当に何かおかしい」と感じた私は、ネットで夫の症状を検索すると、該当したのは「脳梗塞の前兆」...。
しかし、面と向かって夫には言えずに悶々としていました。
そんな時、夫が会社の人間ドックを受ける時期となったので、私は脳ドックも受けることをしつこく勧めました。
「脳ドックは高額だし必要ない」と言っていた夫ですが、渋々受けてくれました。
「人の話を覚えていない」
「気になることがあると、そのことばかりこだわる」
夫の様子が少しずつおかしくなってきていて、子どもたちも心配しています。
現在は脳ドックの検査の結果を待っている状態ですが、何か異常が見つかったらと思うと不安です。
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