<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:59
プロフィール:還暦間近の男性としてはまあまあスマホを使いこなしている気でいました。まだまだ奥深い世界でした。
「ウジさんはらくらくホンじゃないから、たいしたもんだ」
近所の集まりに行って、電話をしているとよくこう言われます。
「いやあ、よくそんな今時のものを使えるなあ」
LINEなどしようものならとガラケーをいまだ愛用している地域の老人(と言っても私と10も違いませんが)から褒めそやされます。
「何だっけ、何とかペイみたいなやつも使えるのかい?」
「ああ、キャッシュレスですね。便利ですよ」
「まったく、すっかり使いこなしてるんだなあ」
おだてられ、すっかり達人の域にいるつもりでいました。
そんな時に、同僚(48)から「ニュースアプリは使ってる?」と聞かれました。
「ニュース? いや、LINEで流れて来るやつぐらいだなあ」
「そりゃもったいない」
「え? 別に用は足りるからいいんじゃないか?」
「いやいや、ニュースアプリはさ、ニュースを見るばかりじゃないんだな、これが」
得意顔の同僚が言うには、そのニュースアプリをインストールすると、ニュースはもちろん、さまざまなクーポンがもらえるというのです。
「どうせ大して使えないんじゃないのか?」
「いやいや、結構このあたりの店で使えるやつも来るし、すごい時は半額とか...」
「そんなに? ただでクーポンって、なんか裏があるんじゃないの?」
同僚にもただでお得なクーポンを発行することで、ニュースアプリにどんなメリットがあるのかまでは分かりませんでした。
「タダより高い物はないって言葉もあるからなあ...」
「とりあえずインストールしてみたら? 特に課金があるってわけでもないしさ」
少し迷いましたがそう背中を押され、いざとなったらアンインストールだ、と思ってダウンロードしてみました。
「ふうん、ここにクーポンってボタンがあるなあ...」
クリックしてみると...驚きました!
今日のクーポン、と表示されている中には近所にあるハンバーガーチェーンの100円引きだの、誰でも知ってるあの牛丼チェーンの半額サービスだの、いろいろ並んでいます。
半信半疑で、その日の昼食は牛丼にしてみました。
「何にしますか?」
聞いてきた店員さんに、恐る恐るスマホの画面を示します。
「...これ、使えますか?」
「はい! 並盛いっちょ!」
私の迷いなど関係なく、元気よく復唱されてしまいました。
普通にいつもの牛丼が運ばれてきて、普通に完食して、違ったのは料金がいつもの半分だったこと。
「へえ、ほんとだ...でも後からなんか勧誘ページにでも誘導されるんじゃないのか...」
アナログな私は最後まで疑っていましたが、次の日になっても特に何の変化も起こりませんでした。
なんだかキツネにつままれた気分ですが、これはなかなかうまい話です。
「お、今日はうどん屋のクーポンだ! じゃあ、昼はうどんにするか」
今では昼のメニューを選ぶのにも一役買ってくれています。
美味しく、しかも安く食事ができるなんて、やっぱりスマホは使い倒すぐらいがちょうどいいな、とつくづく感じています。
関連の体験記:娘の学費のため...50代・シングルマザーの私がホームセンターで始めた「ハードな副業」奮闘記
関連の体験記:目を疑うって、まさにこのこと。教師として真面目一筋で生きてきた78歳の父がパチンコ店に...
関連の体験記:入院した義母の着替えを取りに、初めて入った義母の寝室。そこで見た「白い箱の山」の中身は...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。