<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おとうふ
性別:男
年齢:47
プロフィール:地方の都市で妻(43歳)と娘(11歳)と3人で暮らす、在宅で働く47歳の中年です。
最近よく、テレビ番組で日本に憧れているという外国人の若者を目にします。
私は現在47歳ですが、27年前の20歳の頃は海外に憧れていて、ハリウッド俳優になりたいという夢がありました。
私が高校を卒業して上京した頃は、バブルの影響もあり貯金もたまりやすく、円高の影響(1ドル85円位)もあり海外旅行がぐっと身近でした。
海外に憧れていた私は、最初の旅行でニューヨークに行くことにしました。
一週間位滞在して雰囲気を味わってくるつもりでした。
旅行ブックなどで危険地域や避けた方がいい行動などを勉強し、ほとんど荷物も持たずにニューヨークへと旅立った私。
片言の英語でしたがあまり不便も感じず、街を散策し、危険な区域には注意しつつニューヨークを満喫していました。
しかし3日目のことです。
セントラルパークを散歩していると、ロバート・デニーロをもっと優しくしたような30代位の男性が、微笑みながら話しかけてきました。
「もっと英語を教えてあげたいし、日本人の友達が欲しかったからこの後テニスに行こう」
彼は私の片言の英語にも紳士的に対応してくれて、そう誘ってくれました。
断る理由もなかったので、ついていくことにしました。
彼はセントラルパークの近くの住んでいるらしく「ラケットをとりにいってから行くから、一緒についてきて」と微笑んでいいました。
道中の小さな露店でノートとペンまで買ってくれて、そこに難しい言葉は書いてまで説明してくれたりととても親切です。
私はウキウキとしながらついていきました。
彼の住んでいるところはホテル風のアパートで、入口にはガードマンまでいる高級そうな建物でした。
「着替えたりもすると時間かかるので、部屋で待つといいよ」
そう言われてのこのこと彼の部屋の中までついていきました。
彼の部屋のソファーに腰をかけていると、飲み物を持ってきてくれたのですが、どうも彼の手が小刻みに震えているように見えるのです。
さっきまでとは違い、急にソワソワしているようでした。
すると突然彼は、私の両頬をつかみキスしようとしてきたのです。
私はびっくりしてしまい「ノーーーー」と大声を上げ抵抗しました。
「ごめんなさい、そんなつもりじゃなかったんだ、本当にごめんなさい」
怯える私に彼は動揺しながらすごい勢いで謝ってきました。
一刻も早くその場から逃げ出したかったのですが、「大丈夫、びっくりしただけ、もう2度としないでね」と動揺を隠しながら伝えました。
彼は安心したのか落ち着いて、自分が同性愛者であることを打ち明けてきました。
「アメリカに住むなら色々と金銭的にも面倒見てあげるよ。それとそこにある宝石も欲しかったら、お詫びに好きなの持っていっていいよ」
彼はお金持ちの宝石商らしく、そんな提案をしてくれました。
しかし、私はその場にいることが苦痛になっていました。
「今日はちょっと混乱したので、ホテルに戻って考えてみる」
平静を装いつつ、怖くて泣き出しそうな気持ちを隠し、彼の部屋を出ました。
その時、彼は買ってくれたノートに「僕と君は良い友達になれる」と書いた文章と自分の住所や電話番号を走り書きして渡してきました。
そして私の泊ってるホテルも聞いてきましたが、嘘のホテル名を伝えて去りました。
おかげで2度と彼に会うことはありませんでした。
私は今でもその思い出のノートを見る度に当時の事を思い出します。
すごく親切そうに見える人でも、慎重な行動が大切だと痛感しました。
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