<この体験記を書いた人>
ペンネーム:大家ぽん子
性別:女
年齢:65
プロフィール:65歳主婦です。1歳年上の夫と暮らしています。「まさか」は突然起こりますね。
コロナ禍で気分が落ち込む人が増えていると新聞で読みました。
「活発でいつもおしゃれだった知人が、久々に会ったら元気がなく髪もぼさぼさで服装も適当になってしまった...」
「同居しているお姑さんがデイサービスの休みが続いたら急に弱ってしまった...」
私の周りでも、こんな話をよく耳にしています。
抑えつけられた日が続くとほんの小さな事が引き金になり、坂を転がるように体調が崩れてしまう事ってありますよね。
私もそんな体験があるんです。
今から10年ほど前のことです。
夫婦で可愛がっていた猫が亡くなりました。
特に猫を可愛がっていた主人は「何とか仕事には行けている」ほどにひどく落ち込んでいました。
私自身は、夫よりはショックを受けていないと思っていたのですが、それは間違いだったのです。
いつもの習慣でえさの時間になると台所に向かってしまい「ああ、もう猫はいないんだな」と気づかされたり、猫トイレの片づけをしなくて良いことが、かえって落ち着かなかったり。
そのたびに大きなため息が出ていました。
それでも日を重ね「やっと猫のいない生活に慣れてきたな...」と思っていましたが、愛猫を失った悲しみは、じわじわと心を蝕んでいたのです。
ある日、私は急に布団から起き上がれなくなりました。
本当にぷつりと糸が切れたように、すべての気力がなくなったのです。
「朝なので起きなくてはならない」ということは分かるのですが、どうやったら起きられるのか分かりませんでした。
体中が重く「私、どうなっちゃった?」と、とにかく怖かったことを覚えています。
怖いのに何もできず、のどがカラカラに渇いても水を飲みに行くことすら億劫で、唇がカサカサになってきた頃に、やっと布団から這い出して何とか水を飲み、後はひたすら布団の中にいました。
普段より早く仕事から帰ってきた夫は、異常に気付くと救急車を呼ぼうとしました。
私は「大丈夫だから! 明日も同じだったら病院に行くから!」と言い張り止めてしまいました。
幸いにも寝込んだのはその1日で、その後数日で体調も元に戻りましたが、驚くほど急な体調の悪化にぞっとしました。
今思えば、更年期とペットロスが重なり、鬱のような症状が出たのだと思います。
その頃はまだ50代で、体力もあったので自分を過信していました。
若いから、私は能天気だから、そんな根拠のない理由で「大丈夫」と思い込むのが一番危険です。
ちょっとおかしいなと思った時点で婦人科でも心療内科でも早めに受診しておけば、あんなに怖い思いをせずにいられたかもしれないなと、今更ながら反省しています。
もし、今「何となく体調が悪い」と感じている方、私のように自己判断せず病院に頼ってほしいなと思います。
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