アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:「誰の親の世話してると思ってんねん!」夫に姑の食事介助を頼んだら酷すぎる有り様で.../かづ
病院で風邪と診断され自宅で安静していた姑は、肺炎にはならなかったが熱が高くなり5日間ほど入院して帰宅した。
その間、夫は仕事だと言って見舞いにも行かず、舅は一緒に見舞いには行ったがこれと言った会話もせず、明らかに行けば文句は無いだろう的な態度だった。
ただ無言で姑のベッドの隣に置いてある丸椅子に座り、窓の外を眺めたり、持参した新聞や雑誌を読む。(さすがにこの時はアダルトではない)
そう言えば、舅と姑が「他愛もない会話」をしている所を見た事が無い。
必要事項の会話はあっても、あとは延々と姑が喋っているだけだった。
そんな舅に、今認知症になって口数が少なくなっている姑に喋りかけろと言うのが無理だったのだろう。
帰宅した姑は、寝たり起きたりの日々が続いたが、機嫌が良い時はよく喋った。
ある時、ベッドに寝ている姑は、私に内緒話でもするように耳を貸せと言う。
姑の顔に耳を近づけた私に姑はこう言う。
「あのな、あんたが私の面倒見てくれてるのはなんでか知ってるねん」
「えっ?なんでなんですか??」
驚く私の顔を見て、くすくすと笑いだす姑はこう続けた。
「あそこのタンスの引き出しに入ってる300万円の通帳が目当てやろ?それくらい知ってるで♪」
姑はそう言いながら、和ダンスを指さして笑い続ける。
「ええっ!あそこに300万円の通帳なんか無いですよ!?」
しまった!思わず言ってしまった!
その後が大変だった。
300万円の入った通帳が無いはずが無いと言い、空き巣に入られたと大声で騒ぎだして警察に電話をしろと暴れたのだ。
それからは姑が同様な事を言った時は
「あぁ、そうなん?そりゃお義母さんお金持ちなんやねぇ」
と言うと納得した。
実際に300万円があったのは確かだが、そんなものはとっくの昔に解約して使い果たしていた訳で、それでも姑の記憶の中ではまだ通帳に定期預金がタップリとあるのだ。
またある時は【せん妄】のせいか、姑は家政婦の派遣業をしている事になっていた。
「かづに来て欲しいと言う客が多くて困ってんねん。料理も美味しいし家事もテキパキとこなしてくれるからって、かづを指名して来る」
身振り手振りで、電話がひっきりなしにかかって来ると姑は話した。
姑の中での私の存在は、今まで大事にして来た嫁が姑孝行で恩返しをしてくれていると思っている。
自分がどんな風に嫁を大事にして来たのかは思い出せないが、今嫁に上げ膳据え膳で面倒を見て貰っているのは、自分がよっぽど大事にして来たからに違いないという所に行きついたらしい。
「今まで嫁を大事にして、徳を積んできて良かった。私、今返して貰ってんねんな♪」
姑はニコニコしてそう言った。
続く
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