<この体験記を書いた人>
ペンネーム:むらまゆ
性別:女
年齢:44
プロフィール:主婦です。19年前の話です。
私は高校卒業から4年前まで21年間働いていました。
辞めた理由は私の体調不良が主な原因です(他にもいろいろ理由はありますが割愛します)。
職場は3~4年置きに人事異動があり、全く畑違いの職種に変わりました。
例えば私は医療事務3年、SE3年など...。
全く知識のない状態でいきなり「プロ」として働くことが求められていました。
私がSE2年目、19年前のことです。
妊娠が発覚し、その年のうちに産休に入ることが分かっている状態でした。
当時の職場は職員が40人以上おり、職員全体をまとめる人が係長、5~6人のグループをまとめる人が主査、係長と主査は同列で上に課長がいました。
4月に人事異動で同じグループに主査(当時40代後半)と新米SE(職員としては7年前後20代後半)が入ってきました。
新米さんは仕事については分かりませんが、非常に弱々しい人という印象。
ただ真面目で性格は優しそうな人だと思いました。
一方主査は元々SE経験があるようで、仕事が非常にできる人。
第一印象は「ずっと顔をしかめている怖そうな人」でした。
ただ、時が経てば「思ったより優しい」とか「顔は怖そうだけど根はいい人」と印象も変わるだろうと思っていた当時の私(26歳)はのんきなものでした。
新しい主査の新米さんに対してのあたりは、日増しにひどくなっていく一方でした。
毎日ちょっとしたことで怒鳴ります。
「俺が話しかけたらすぐ返答しろや!」
電話応対で少しでもとまどったら怒鳴り散らしました。
「さっさと対応しろや! このできそこない」
少しの雑談でも怒鳴るのです。
「雑談する余裕があるなんていい身分やな!」
誰も主査を止めようとはしませんでした。
係長や課長に相談した人がいたそうですが、主査は係長や課長には非常に受けがよく「できない方が悪い」と一蹴されました。
子供のいじめはなくせない、だって大人のいじめの方がこんなに陰湿だし、上の対応も一緒だと思ったものです。
その後私は約1年半の育児休業に入りました。
そして復帰したところ、新米さんは職場にいませんでした。
主査は変わらずその場所にいました。
聞いたところ、新米さんは1年目は何とか踏ん張ったそうですが、2年目に心身を壊し療養、私の復帰とほぼ同時に異例の異動となったそうです。
主査のいじめはなくならなかったそうで、周りの人曰く「聞いていても気分が悪かった」と。
新米さんと同じグループの人も「その人いなくても僕1人でできるし」と最後まで守らなかったのだそうです。
主査は数年後出世しました。
その後たまたま研修先で当時の新米さんを見ました。
笑顔で同僚と話していた彼に、私は声をかけることができませんでした。
ただ、「こんな笑顔、あの時一度も見たことなかったな」 とほっとしたと同時に申し訳ない気持ちになりました。
現在はハラスメントに対する制度も整いつつあります。
相談室もできたそうです。
被害者側も声をあげられるよう変わればいいと願っています。
関連の体験記:娘には言えないけど...70歳手前、貯蓄はキープしたい私たち夫婦にとって「可愛い孫」への出費が痛い
関連の体験記:共働きの息子夫婦に頼まれ、2歳から預かった孫娘。彼女が「小学校で書いた作文」で嫁との関係が...
関連の体験記:娘の私のため、頼まれた友人のため...マスクを求め開店前のドラッグストアに並ぶ母に複雑な思い...
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。