<この体験記を書いた人>
ペンネーム:しらたま
性別:女
年齢:46
プロフィール:外出自粛の今だからこそ、ご無沙汰の友人にもメッセージアプリで連絡。落ち着いたら元気に再会するのが楽しみです。
私は46歳、一つ年下の夫と10代の娘との3人暮らしをしています。
先日、娘と一緒に、冬物のセールに行きました。
ファッションにはあまり興味を示さず、私が選んだ服をなんでも着るようなタイプだった娘。
しかし少し前から、娘なりにこだわりが出てきた様子です。
今までは服を買いに行こうと言っても面倒がっていたのに、今回のショッピングは娘が行きたいショップを事前に考えるなど、準備も万端。
また少し娘の成長を感じられ、母としては嬉しい気持ちでした。
そんな買い物の途中のことです。
娘が欲しいといった服は、私が若い頃に流行っていたようなデザインのカットソーでした。
なんというか、一言でいえば「ザ・80年代」。
身頃がゆったりしていて、着丈はかなりショートです。
袖もダボっとしていて、ドルマンスリーブになっています。
英語で大きなロゴがあしらわれていて、全体的にポップでカジュアルな雰囲気。
当時はカットソーとは言わず、こういうタイプは全部、トレーナーと言っていたっけ。
その服を見て、ふと自分が高校生の時のことを思い出しました。
高1でお付き合いをしていた人と、初めて学校以外で2人で待ち合わせをした、いわゆる初デート。
悩みに悩んで、持っていた服の中で一番おしゃれだと自分で思う服を着ていきました。
それがまさに、その時、娘が欲しいと言ったカットソーのデザインとそっくりだったのです。
正直にいうと、その80年代的なデザインは、なんとなく今の私には野暮ったく感じられました。
しかし娘に言わせると、これが今カッコ良くて、みんな着ているデザインなの! とのこと。
流行は繰り返すといいますが、まさにその通り。
10代向けのそのショップ内を見回してみると、他にも懐かしい感じのするデザインの服がたくさんありました。
まだまだ子供だと思っていた娘ですが、これから好きな人ができて、デートをしたり、という思春期はもう始まっているのだと改めて気付きました。
大人になってしまうと、なかなか感じる機会もなくなってしまう、キュンとした感情。
好きだと思った相手と気持ちが通じ合った時の嬉しさ。
手が触れただけでドキドキが止まらなかった初デートの時。
そんなものを、これから初めて経験していく娘...。
同じ女として、応援してあげたい気持ちがあります。
しかし、自分にはもう来ない、過ぎてしまった時間を持つことができる娘に、少しだけうらやましさも感じました。
その日は結局、服をたくさん買って、締めには大好きなアイスクリーム屋さんに行って、大満足で帰宅した娘。
これからも娘の成長を、そばで見守りたいなと感じた時間でした。
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