<この体験記を書いた人>
ペンネーム:まさかず
性別:男
年齢:42
プロフィール:娘たちの姉妹愛を微笑ましくも、羨ましくも感じるある一人っ子の父親。
我が家には、長女15歳と次女12歳の娘がいます。
今年の春には中学校と小学校を卒業し、次のステップへ進んでいきます。
そんな年頃の娘達ですが、時折り寝顔を見に行くと、布団を並べて手をつないで寝ていることがあります。
翌朝「仲いいね」と声をかけると、長女が言います。
「たまに手をつないでって〇〇(次女)に頼まれるんだ」
そっか。
あれからずいぶん経つけど、まだ、続いているんだなと思い出すことがあります。
それは、次女が小学校に入学した時の事です。
入学式の翌日、パジャマから着替える時に次女の手が震えていました。
「どうした? 緊張してるのか?」
「うん。たまにこうやって手が震えちゃうんだ」
そう話す次女の顔は浮きません。
もう春なので、そこまで寒くはありませんでした。
ちょっと心配だなと思った矢先。
「パパ。助けて」
次女が倒れこみ、私はとっさに抱き寄せました。
顔を見ると、身体を震わせ白目をむいています。
「おい! 〇〇(次女)! しっかりしろ」
大声で呼びかけても返事をしません。
口元に顔を近づけても息をしていない気がします。
「ママ! 救急車!」
そして、近くの大病院へ。
検査をすると脳のレントゲンに影があり、医者からは原因はよく解らないが脳に負担がかかっているのでそれを和らげる治療をする、と伝えられました。
翌日に意識は回復しましたが、意識は朦朧としている様子...しばらく入院することになりました。
心配で、妻と日替わりでお見舞いに行きました。
その間、長女は家でお留守番。
普通の姉妹でしたので、人並みに遊びや喧嘩をしていました。
帰宅すると長女が両親を独占できるので、楽しく振舞っているようにも見えました。
そうこうしながら3週間が経ち、退院できることになりました。
「私も行っていい?」
小学生4年生だった長女は病室には入れず、お見舞はできませんでしたが、退院の日は一緒にお迎えに行くことにしました。
退院手続きを終え、次女が出てきた時です。
長女は真っ先に次女に駆け寄り両手を握ります。
「〇〇(次女)。よかった。よかったね」
涙を流しながら、声をかけます。
「うん」うれしそうに笑う次女の目にも涙が浮かんでいました。
小学校4年生と1年生。
それまで幼い子供同士だと思い、当人同士の関係など意識したことはありませんでしたが、しっかり姉妹の絆があるだと気づかされたことを今でも鮮明に覚えています。
その後も次女は定期的に通院をしてます。
それから数年間は、季節の変わり目や学芸会等の学校行事のあとに、頭痛を訴え数日入院することもありました。
最近は身体も大きくなり、自分をコントロールできるようになったのか、調子が悪くなることを察し、休憩をとるなど調整ができるようになりました。
おかげで、ここ数年は入院することなく、普通に学校にも通えています。
ただ、疲れた日の夜に不安になった時は、お姉ちゃんに手を握ってもらい気持ちを落ち着かせて眠りについているようです。
このことを妻に話したところ妻も知らなったようです。
親の知らないところでも子供同士の関係があるんだねと、妻と子供達の成長を実感しました。
2歳半の時にママが次女の出産で入院中、いつもはママと一緒じゃなきゃ眠れなかったのに、初めてパパと2人だけで寝てくれた長女。
あの日からお姉ちゃんになったんだね。
これからも姉妹で支え合って成長していってほしいと思っています。
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