<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おかあ
性別:女
年齢:46
プロフィール:5歳年下の夫と、中学生の息子と小学生の娘との4人で地方暮らしをしている、まだまだ子育て真っ最中の会社員です。
我が家には中学2年生になる息子がいます。
最近では家族と外出することを嫌がったり、話しかけても「別に」とか、「フツー」としか言わず、しつこく話しかけたりすると「うるせー」と返ってきます。
本当に絵に描いたような思春期真っ盛りです。
そんな中、2020年の秋に私が婦人科系の病気により突然の腹痛に見舞われるという出来事がありました。
夕食後に突然痛みを訴えてのたうち回る私に、当時、会社で重要な仕事を任されていた夫が、こんなことを言ったのです。
「そんなに痛い? 俺、明日は仕事で早いから、我慢できそうなら明日病院に行ってもらった方が助かるんだけど...」
恐らく、夫は仕事のことで頭がいっぱいで、悪気があったわけではないのでしょう。
すると、日頃家ではほとんど喋らない息子が、目の色を変えて怒鳴ったのです。
「はぁ⁉ 今それ? 母さんに何かあったら、仕事なんかしてる場合じゃなくなるんだぞ。母さんが一番大切やろ!」
そう言った後、息子は私に「診察券は仕事用の鞄の中?」と確認しながら、テキパキとかかりつけの婦人科の診察券を見つけ、救急窓口に行く段取りをつけてくれたのです。
病院に行く車の中でも、ずっと私の背中をさすってくれました。
そして「大丈夫だから、すぐ診てもらって楽になるから」と励まし続けてくれた息子の優しさと成長に、痛みの苦しさの中でも嬉し涙が止まりませんでした。
病院で治療して頂き事なきを得たのですが、念のため1泊することになりました。
症状が落ち着き、食後の片付けもせずに病院に行ったから散らかってるだろうなと思いながら翌日帰宅したところ、家の中はきれいに片付けられており、洗濯物も洗って干してありました。
「お片付けしてくれたん?」
夕方になり、先に小学校から帰って来た娘に訊ねると、意外な答えが返ってきました。
「お兄ちゃんが、お父さんは今忙しいし、お母さんが帰って来た時にゆっくり休めるように片付けしておこうって言って、一緒に片付けたんだ。お洗濯はお兄ちゃんがしてくれたよ」
いつもは本当に何も言わない息子だけど、息子なりに家族のことを考えてくれてるんだなと、ホロリとした瞬間でした。
「家のことしてくれたありがとね。昨日も心配してくれて嬉しかったよ」
しばらくして帰って来た息子に伝えると、いつものごとく「うるせー」としか返ってきませんでしたが、いつもより息子と心が近くなったように感じました。
こんな思いができるなら、たまには病気になるのも悪くはないな...あ、そんなことを考えていたら、今度は私が息子に「はぁ⁉」と言われてしまうかな。
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