アメブロで「~こんな事を言っちゃあなんですが!~」を運営しているかづと申します。現在は夫婦二人と3ニャンとで暮らしています。私の嫁時代の体験を思い出しながら書いています。
前回の記事:嫌がる舅に無理やり付き添った病院で...。医者から聞いた「驚きの話」/かづ
ある日、舅が散歩に行くと言って出掛けた後、久しぶりに姑を連れて買い物に行くことにした。
帰りにバス待ちの舅と出会えば乗せて帰ればいい。
車に姑を乗せ、駅前のスーパーに連れて行った。
いつもの様に姑と一緒に売り場を回り、姑は食材を手にしながら嬉しそうな表情だった。
姑の好きな栗饅頭を和菓子売り場で選び、レジを済ませてスーパーから出た。
スーパーの前には広場があり、子供連れやお年寄りがベンチに座って休憩を取っていた。
その広場の一番奥まった所にあるゴミ箱に、上半身を突っ込んで何やら漁っている人がいるのに気が付いた。
朝、背負って行ったリュックで、一目でそれが舅だと分かった。
何をしてる??
ゴミ箱に間違って何か捨てちゃった?
姑を連れてはいたが、舅が何をしているのか私は足を止めて見ていた。
舅はゴミ箱の中の新聞やチラシを手に取っては、次々と品定めをしているようだった。
舅が雑誌や新聞を手に取って、パラパラとめくった後に脇に抱えた。
そしてまたゴミ箱に手を突っ込んで漁りだす舅。
新聞数紙と雑誌を3冊ほど拾った舅は、今度はリュックからアダルト雑誌のように見える数冊と新聞の束を取り出しゴミ箱に捨てる。
ゴミ箱から離れた舅は、近くのベンチに座った。
舅はリュックから先ほど拾った雑誌を取り出し、ページをめくりだす。
思い出した。
舅はコンビニの隅に売っている様なアダルト雑誌やスポーツ新聞をよく買っていた。
それを姑は廃品回収に出す際に隣近所に恥ずかしいからと、バラバラに分解して一般紙の新聞の間に挟んで出さないとならなくて困ると言っていた。
うちの子供が大きくなるにつれ、子供の目に触れないように片付けておくよう姑からきつく言われていたのを目にしたこともあった。
私達と同居をするようになってからは、私と夫が廃品回収の集積場まで出すようになったので、舅は今までのように買って来られなくなったのだ。
それだから駅前のゴミ箱から拾って持ち帰り、次に散歩に行った時にまたゴミ箱に捨てて次の雑誌を持ち帰っていたのだ。
驚いたのはそれだけではなかった。
アダルト雑誌をめくりながら、舅がリュックから取り出したのは500mlの缶ビールだった。
舅は「いつもの様に」という手付きで缶ビールを開け、美味しそうに飲みだした。
私は姑の手を引きながら広場に入り、舅に向かって歩いた。
舅が座っているベンチの後ろから回ったが、アダルト雑誌に真剣な様子で真後ろに立っても私と姑には全く気が付いていない。
私は姑とつないでいた手を離した。
「お義父さん♪」
そう呼びながら後ろから舅の両肩をつかんだ。
舅は飛び上がって驚き、見ていた雑誌と缶ビールを落として履いていたズボンがビールで大きく濡れた。
「こんな所で飲んでたんやぁ。そりゃ毎日散歩に行きたいわなぁ」
舅は拾った新聞や雑誌をリュックから取り出してゴミ箱に捨て、缶ビールの残りもそこら辺にまき散らしてゴミ箱に投げ込んだ。
姑と一緒に舅も車に乗せて帰った。
当然このことは帰宅した夫に伝えた。
「二度とするな!」と夫から罵声を浴びせられていたが、長年の習慣や癖(へき)や嗜好はなかなか変えられない。
そして高齢になるにつれ細かい所が気にならなくなるのか、隠そうとしてもうっかりと私達に見つかってしまうことが多かった。
「散歩に行ってくる」と言って玄関口の椅子に座りながら靴を履く舅の横には、口が開いたままのリュックからアダルト雑誌や新聞が覗いていたり、廃品回収に出すために縛って玄関先に置いてあった新聞の束には、明らかに横から突っ込んだ跡があり、縛っていた紐も曲がっていたので調べるとアダルト雑誌やスポーツ新聞だったり。
この他にも、舅は次々とやらかしてくれることになる。
続く
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