<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地内に住む独身の自営業。
78歳の母の事です。
母が通っている社交ダンスのサークルが、新型コロナの影響で2020年の春から落ち着くまで休みとなりました。
夏になれば、冬になれば、年が明けたら...と節目ごとの淡い期待も打ち砕かれ、先の見えない状態にしょぼんとしている母。
「ダンスはいっこうに上達しないけれど、行くのが楽しい」
そんな風に言ってたなぁ。
面白くなさそうに庭仕事をして気を紛らわせている姿を見ると、私も溜息が出てしまいます。
しかし、新しい趣味を勧めてみようかと思いながらも、自分の日常に流されてしまっていました。
するとある日、母がこんなことを言い出しました。
「このまま運動不足が続くと、サークルが再開した時に踊るどころじゃなくなっちゃうよね。だからね、ウォーキングを始めてみることにした」
笑いながらそう言い出したのです。
うちの直ぐ裏は田んぼ道になっていて、車もほとんど通らない絶好の散歩コース。
近所の人も歩いているから、話をする機会も増えていいかもしれないと思いました。
母は早速スニーカーを買いに行き、1日30分を目標にウォーキングスタートしました。
私は「ただ歩く」のは間が持たなくて音楽を聴きながらでないと嫌なのですが、逆に母は黙々と歩くのが楽しいとのこと。
10月に入った頃にはすっかり習慣になり、普段の生活では顔を合わせる機会がない「ウォーキング友達」もできたようでした。
そして毎日、夕食の時に、ウォーキング友達の話題を楽しそうに話すようになった母の姿を見て、私は嬉しく思っていました。
しかし、笑っていられたのも束の間。
母はウォーキングに熱が入り過ぎて、雨が降ればレインコートを着てまで歩いて、風邪を引いてしまうほど頑張るようになったのです。
「いつの間にレインコートまで買ったんだ!」と驚くと同時に「やり過ぎだよ~」と脱力。
風邪薬を飲んで、それでも歩きに行こうとする母に「無理はしちゃダメだよ」と、しばらく休むように話してみました。
すると母は「決めたことは続けなくちゃ意味がない」とキリリ。
「そうだけど、悪化しちゃうよ。せめて今日は休もう」と食い下がっても「悪化したら、した時よ」と強気に答えていつもの様に出発です。
勢いに押されて、真面目な母らしい気もするなと、トコトコ歩いていく姿を見送りました。
それでも、その後何度か体調や天気と相談しながら負担にならない程度に続けようと話をしたのですが、聞き入れてくれません。
寒かろうが風が強かろうが毎日歩いています。
しかも歩く時間もいつの間にか30分から1時間にアップされています。
幸い、今のところ寝込むような事態にはなっていませんが、健康のために始めたことなのに、このままじゃ本末転倒になりはしないかと心配でモヤモヤしています。
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