<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ワンタック
性別:女
年齢:52
プロフィール:強烈な義父と義母と同居する関東在住のフルタイムで働く普通の主婦です。
義母(70 代)はバレエやオペラが大好きで、とてもアクティブな高齢者です。
特に海外のバレエ団に所属するダンサーがお気に入りで、日本で開催する公演なら数回、海外にも年に1回は公演を観に行っていました。
ところが2020年、コロナで海外に行けなくなった義母は、バレエ友達に紹介されたドラマから、日本の元アイドルのイケメン俳優(40代)に目覚めました。
早々に彼のファンクラブに入会し、SNSで彼のファン達と交流。
毎日、彼の情報をすごい熱量で楽しそうに私に聞かせてくれますが、全く興味が無い私は「はー」「ふーん」「へー」「ほー」と返すだけ。
その彼の映画が2020年の秋に公開されると、義母は初日朝一の回のチケットを取り、ウキウキしながら友人と観に行ったのです。
帰って来た義母に「映画楽しかったですか?」と聞くと
「それはもう彼は一流よ! 最高よ! あんな演技できる人は見たことがないわ!」
そう大絶賛した義母ですが、その後、急に雲行きが怪しくなりました。
「でもグッズが完売で買えなかったのよ! なんであの映画館は購入制限してないの!?」
急に怒り出した義母はグッズが買えなかった腹いせに家族に八つ当たり...はっきり言っていい迷惑です。
さんざん騒いだ後、「再販したら何としても次は買う!」とリベンジに燃えていたのです。
SNSや映画館に問い合わせて今か今かと待っていた義母、やっと再販日が決まった時は、義母よりも八つ当たりから解放される家族が一番喜びました。
今回グッズの購入は1人1種類1個までと制限されているそうで、義母は狙いを定めた映画館の朝一のチケットを購入しました。
私達家族は映画館内のグッズ売り場の場所、行列になった時に並ぶと思われる場所をチェックし、義母にレクチャーしました。
そしてさらに、義母が朝7時には映画館に到着したいから6時台の電車に乗りたいというので、車で駅まで送ると私から手を挙げました。
何としても今回はグッズを購入して貰いたい! これ以上振り回されるのは困る!
そんな思いで義母を家族一丸となってバックアップです。
いつも起床は8時頃なのに、映画当日朝5時から起きている義母に感心し、駅で車を降りる時は「頑張って!」とつい声をかけてしまいました。
帰って来た義母は、今回はゲットできたなと直ぐに分かるくらいに嬉しそうな声で「ただいま~」と言った後、リビングに入って来ました。
そして、ひと揃い全部購入したグッズを披露してくれました。
楽しそうにグッズを披露する義母を見ると、ついつい私も嬉しくなりウンウンと聞いてしまいます。
「果たしてこのグッズは本当に必要なのだろうか?」
なんて質問は決して口には出しません。
「今日お友達に聞いたのだけど、彼が出演している別の映画が冬に公開されるみたい!」
グッズの話もやっとひと段落した後、嬉しそうに言う義母を見て、「またか...」とゲッソリ。
今度も5時起きで送っていかないといけないのかな...まあそれでも、理不尽な八つ当たりを受けるよりはいいか...。
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