<この体験記を書いた人>
ペンネーム:濃姫
性別:女
年齢:43
プロフィール:夫と2人の子どもとの4人家族。義父母のお店を手伝いながら、義父母と半同居生活をしている主婦。
私は、義父(71歳)が営む中華レストランを手伝っています。
先日、店の常連さんが体験したという怖い話を聞いて、自分が大学生の頃に体験した心霊体験を思い出しました。
それは、夏休みに友達4人で海に行った帰り道でのことです。
渋滞を避けるため、まだ明るいうちに海を後にしました。
車内で流行りの音楽をかけながら、お喋りをしたり、皆で歌ったりして盛り上がっていたのですが、しばらくすると運転している友達Aの口数が減ってきたのが気になりました。
私が「A、どうしたの?」と声をかけると、Aがボソッと「なんかさ、同じ道をずっと走っていて、幹線道路に出られないんだよね」と言うのです。
Aは何度もその場所を訪れているので、道を間違えるはずはありません。
Aと一緒に良く訪れていたBが「その先を左に曲がっても帰れるから曲がってみなよ」と提案し、Aも「そうするわ~」と左折しました。
しかし、不思議なことにやはり同じ場所に戻ってしまいます。
明るかった空も薄暗くなり、4人とも怖さで口数も減り、シーンとしたまま1時間ほど同じ場所を延々走っていました。
道幅が狭い道路なので、車を停車させることもできません。
途方に暮れていると、助手席に座っている私に右後ろの席のCが話かけてきました。
振り向いてCの方を見た私は、息を飲みました。
Cの横の窓に青白い顔をした男の子の顔だけが見えたのです。
男の子は真正面を向き、少し上向き加減で息をハァハァしながら、とても苦しそうな表情をしていました。
まるで私達の車に必死に付いてきているかのように...。
男の子が付いてきている側は、反対車線の車が走っているため、普通なら轢かれてしまいます。
私はパニックと恐怖で言葉も出ず、冷や汗が止まらなくなりました。
私の異変に運転しているAが「〇〇、どうしたの?」と声をかけてきて、我に返った私が皆に状況を伝えると、3人とも恐怖で言葉を失ってしまいました。
そのうち、男の子が付いてきている側の席に座っていたCが「寒い、右側だけが物凄く寒い」と震え出したのです。
どうにかしないとと考えていた時、テレビ番組で霊能者が話していたことを思い出しました。
「遭遇した霊が自分の前から消えなくなった時は、大きな声で自分の場所に帰るように伝えなさい」
怖くて声を出すのに時間がかかりましたが「あなたのいる場所はここじゃないの。自分の世界に帰りなさい!」と、声を振り絞って男の子に向かって言いました。
すると男の子は、走るスピードを緩めるような感じで少しずつゆっくりと窓から消えていったのです。
私が「男の子、いなくなった...」と言うと、すぐにCも「不思議、寒くなくなった」と言いました。
そして数分後、目指していた幹線道路が見え、4人で胸を撫でおろしましたが、その後に予定していたカラオケに行く気にもなれず、まっすぐ帰宅しました。
その後、あの海にもその道にも、AとBは二度と行かなかったそうです。
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