<この体験記を書いた人>
ペンネーム:aozora
性別:女
年齢:42
プロフィール:夫(47歳)と子ども(中2、小6)の4人家族。突然の体調不良の体験談です。
2年ほど前から父(当時72歳)の体調不良が続いていました。
そんなある日、突然、父の容態が悪化し、「早くしないと話ができなくなるかもしれないから帰っておいで」と母から連絡がありました。
子供の事を夫に託し、急いで片道6時間の故郷の病院へ。
父はその日の夜に亡くなりましたが、最期まで家族を思う父の姿は立派で、母と兄と姉、家族みんなで父の死に目に立ち会うことができて、良かったと思います。
父がいなくなり寂しさや悲しみはもちろん大きいのですが、息ができずに苦しそうな父の最期の姿が頭から離れず、「人の死」の瞬間を見たことで心の中で漠然とした恐怖感が生まれていました。
その後、普段の生活に戻りましたが、コロナがどんどん全国に広がりつつある中で、私が暮らす地域でも感染者が増え始めていきました。
子供達が通う学校は休校になり、私のパート先も期限未定のまま休業。
普段はニュースを見ないのですが、コロナ関連のニュースが気になり、毎日感染者数などチェックする日々でした。
そしてコロナの症状や感染者数に関する情報がテレビで流れるたびに、胸がギュッとしめつけられ、言いようのない恐怖に包まれていきました。
そんなある夜、寝ついてすぐに動悸がして目が覚めました。
冷や汗が出て目が回る感覚。
怖くなって水を飲んだり深呼吸してみるのですが、なかなか動悸もおさまりません。
次の日も同じように眠れず、その次の日も...。
息苦しさもあったため、病気ではないかと怖くて怖くて涙が止まりませんでした。
ですが、病院で検査してもらっても、異常なし。
原因が分からない中、夫にも勧められて心療内科を受診したのですが、質問に答えようとすると涙があふれて言葉が出ません。
自分の今の症状と、原因と思われるストレスは「死への恐怖」かもしれないとなんとか伝えました。
医師からはショックな出来事の影響で心身のバランスを崩しているようだと言われ、薬を出してもらいその日は帰りました。
もらった薬で少しは安心できたものの、またいつ動悸や息苦しさに襲われるか分からないという不安がどうしようもなく大きくなってきて、食欲もなく横になってばかりでした。
毎日の家族の食事をなんとか作り、あとは横になってばかり...。
天気の良い日は青い空を見るだけで涙が止まらず、子どもや夫にも申し訳なく、こんな自分を見せるのがイヤで、寝室にいる時間が増えていきました。
こんな自分に、この先楽しいと思えることがあるのだろうかと、気持ちは落ち込むばかりでした。
そんな時、持っていた雑誌の漢方の記事を読んで、試してみたいという気持ちがフッとわき上がったのです。
近所で漢方を扱う薬局にすぐに電話をし、行ってみることにしました。
その薬局の先生は40代後半の女性で、やはり涙が出てなかなか話しが進まない私に「大丈夫、大丈夫」と何度も声をかけてくれました。
根気よく話を聞いてもらった後に、私の体質に合った漢方薬を出してもらいました。
また1週間後に来るように言われ、最後にも「大丈夫よ」と言ってくれました。
1週間後、少し食欲が戻ってきていました。
先生にその話しをすると喜んでくれ「苦しい症状が出た時は遠慮せずに病院の薬を飲んでいいから、漢方も続けてみよう」とのことでした。
漢方薬局では、1週間の自分の体調だけでなく、日常の他愛ない話も聞いてもらいます。
先生は世間話のように、生活についても幅広くアドバイスしてくれます。
体調の悪い時は寝室に閉じこもることもありましたが、週に一度、先生に会いに行く時間が、自分を少しずつ元に戻してくれるように感じました。
夫にも遠慮して話せなかったのに、先生は当たり前のように体調と気持ちの具合を聞いてくれるので、不安を吐き出して少しスッキリするんです。
漢方薬の効果プラス、いつも「絶対大丈夫」と行ってくれる先生の言葉の力も大きいのかもしれません。
食欲が少しずつ戻り、食べたいと思わなかった甘いものも食べたくなり、おやつの時間に息抜きするという普通の時間が戻ってきました。
もともと好きで集めていたアロマオイルを使うと、ほんの一瞬お腹の中の不安のかたまりが消えるような感覚があったので、積極的に生活の中にアロマを取り入れるようにしました。
まだどうしようもなく心がザワザワしたり、息苦しさに襲われると病院でもらった薬に助けられていますが、自分で回復していると感じる時間がほんのちょっとずつ多くなってきました。
心と身体がつながっているということを実感する毎日です。
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