<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みけ
性別:女
年齢:51
プロフィール:両親と同じ敷地に住む51歳の自営業。
海のない県で育った母が、海への憧れを語るのを聞いて思い出した話です。
20数年前、私はある会社で働いており、当時住んでいた社宅にはエアコンが付いていませんでした。
冬はまだしも、今より気温は低めだったとはいえ、夏は疲れていても暑くて寝ていられません。
現在のようにお手軽な冷風機もないし、窓に設置するエアコンを買うお金もなかったので、この夏をどう乗り切るか悩みました。
お金を掛けずに出来るだけ快適に過ごしたい...。
そこで閃いたのが、どうせ寝られないなら夏を楽しもう! ということで海に行こうと思い立ちました。
思い立ったら即行動の私は早速、買い物に出掛けて海水浴グッズを揃えました。
ビーチチェアと本を持って海に行き、陽が落ちるまで本を読んで過ごす...これを次の休みから始めて、休みの日は毎日通っていました。
当時若かったのと、もともと海のない地域で育ったせいで日焼けの怖さを知らない私。
今だったらお化粧ばっちりで日焼け止めもたっぷり塗っていくのですが、なんとノーケアで海に通ってしまったのです。
結果、秋が来る頃には当然ながら顔と体は真っ黒、髪はキラキラの茶髪になりました。
普通の会社なら「焼けたねぇ~」なんて笑い話になるところですが、堅い仕事をする会社だったことから、思いもよらないトラブルが発生。
同じ部署の上司はもちろんの事、行き会う上司達が必ず「どうした?」「なんの遊びしてんだ?」などなど聞いてきます。
その都度「ちょっと海で」と曖昧にしていましたが、どうもこの中途半端な答えが悪い方向に転び、とうとう課で一番偉い人に呼び出しを受けてしまいました。
会った事もなかったその方は開口一言「転職するのか?」と笑いもせずに言いました。
予想外の言葉に「まさか、クビ?」と焦っていると、今度は穏やかに「不満があるなら話してくれるかな」の言葉。
どうやらその方は、ガングロ・茶髪になったのは会社への不満のアピールだと考えたようです。
そんな心配をさせてしまったのに、オチは考えもなく海に通っただけ...。
申し訳ない気持で正直に説明したのですが、あまりの情けなさについ顔がニヤついてしまいました。
すると上司の表情が豹変。
むずかる子供を思わせる、癇癪が破裂しそうな顔になりました。
そして「まったく、余計な事をして! そんな格好で仕事ができると思っているのか!」と怒鳴り、席を立って出て行ってしまいました。
残された私はニヤニヤが止まらないまま、同席していた二番目に偉い人に見送られて部屋を出たのです。
今だって、必要以上に日焼けをしていたり、髪が茶髪だったりしたら、会社で注意されるかもしれませんよね。
今考えるとぞっとするくらい軽率な行動と態度で、よく左遷や減給されなかったものだと思います。
結局、肌はどうしようもないものの、髪は黒く染めるよう命じられ、お財布にも痛い思い出となりました。
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