<この体験記を書いた人>
ペンネーム:Nagisa
性別:女
年齢:49
プロフィール:仕事が大好きでいつの間にかアラフィフになっていました。家族から心配されて婚活し、昨年電撃結婚した主婦2年目です!
私は晩婚でやっと幸せになれましたが、若い時に私との結婚を誓ってくれた男性のことを思い出し、時折後ろめたい気持ちになります。
私が20歳の頃、入社したばかりの会社で時々顔を合わせる2歳年上の男性がいました。
外見も性格もいい彼は、理想の結婚相手として社内でも女性ファンが多くいました。
同郷なので以前から知っていましたが、私は徐々に彼を意識し始め、ちょうどバレンタインデーの頃だったのでチョコレートを渡すことにしました。
好きだとは伝えませんでしたし、義理チョコだと思われていたかもしれません。
その後、たまたま会った時に、その場で誘われて二度ほど食事をしましたが、デートとは言えないものでした。
以後、会う機会がなくなり、私は職場の別の男性上司を好きになってしまいます。
ところがある日、同僚がニヤつきながら、一枚の紙切れを渡してきました。
それは例の彼が書いたもので、私をデートに誘う内容ではありませんか。
数日前、社の催しに訪れた際に彼が落としていったものとのことで、たちまち社内に知れ渡ってしまいました。
ですが、仕事で好成績をおさめていた私は周りに一目置いてもらっており、「Nagisaさんなら仕方がない」と、彼のファンだった女性たちはみんな手を引いてしまい勝手に祝福されました。
しかし、当時、彼よりもずっと大人である上司を好きになっていた私にとって、彼はどうでもよい存在になっていたのです。
半年ほどして彼から一通の手紙が届き、そこにはなんと私を結婚相手として必ず迎えに行くと書いてありました。
でも交際を申し込まれた訳でもなく、一方的な内容に驚いた私はそのまま何もしませんでした。
また半年くらい経った頃、仕事帰りに彼とばったり会いました。
彼の家とは方向が違うのに同じ電車に乗ってきて、私の住む社員寮の最寄り駅まで送ると言うのです。
私は内気すぎて拒めませんでした。
こちらに気持ちがないのに、好意を寄せてくる人と一緒にいるのは重荷です。
私の反応が良くないためでしょう、彼も暗い様子で、言葉もほとんど交わしませんでした。
この時、私の奥底で悪戯心が芽生えたのです。
自分には好きな人がいると伝えるべきでしたが、彼はみんなが憧れる人。
私にとっても、結婚相手としては理想的であることに違いはありません。
その時好きだった上司は既婚者ですし、人様の家族を壊すつもりはないので、この彼をキープしておきたいと思ってしまったのです。
私から気持ちが離れてしまえばそれでもいいし、放置しておこうと。
彼を見たのはそれが最後でした。
私は24歳の時海外へ転勤したのですが、その少し前のこと、彼から二通目の手紙が届きました。
それには「好きな人ができたので友達でいたい」と書かれていました。
私は彼の恋人でもなく、友達だった覚えもありません。
彼は以前から1人でストーリーを作り上げているかのようです。
内容的に、半ば私を試しているような気もしました。
最後の賭けなのでしょうか? しかし、私は何も返しませんでした。
その後、私は長年恋愛に恵まれませんでした。
その間に、例の彼は彼に憧れていた同僚と結婚したことを風の噂で聞いていました。
美人で良妻になれそうな人です。
今は私も幸せですが、だけどもしも過去の私に会えるなら、伝えたいことがあります。
絶対に好意を寄せてくれた人の心を弄んではいけない、そして、他に好きな人がいるのなら、できるだけ早く相手に伝えること。
過去の私に向かってそう言えたなら、私は今とは違う人生を歩んでいたのでしょう。
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