<この体験記を書いた人>
ペンネーム:Nagisa
性別:女
年齢:49
プロフィール:仕事が大好きでいつの間にかアラフィフになっていました。家族から心配されて婚活し、昨年電撃結婚した主婦2年目。
私は昨年帰国して結婚するまで、若い頃からずっと海外で働いていました。
私は仕事が大好きで、なんでも手早く片付けるので、職場の皆から何かと頼りにされていました。
ある日、別の部署の上司が新事業に取り組むようになり、仕事が増えたということで彼の仕事も手伝うようお願いされました。
彼の運転手や秘書は必ず辞めていきます。
他の上司でそういうことはありませんから、何か問題がある人なんだろうと思っていました。
実際に彼の下で働きだしてみると、悪い人ではないのですが、現場のことをあまり知らず、部下がいかに苦労しているか全く理解していないことが判明しました。
ただ指図するだけで人使いが荒く、面倒なことを全て人にやらせてしまうタイプです。
当時33歳だった私に対してもそうでした。
例えば、手のかかる資料をやっと揃えてもすぐに紛失し、また同じ資料を用意するように言ってくるのです。
そういうことが何度も繰り返されます。
ただ、尊敬できる点もあり嫌いな人ではなかったので、「仕方がないな」と思いながらお願いされたことには従順に取り組んでいました。
彼を手伝いはじめて9年がたち、私が42歳頃のことです。
その上司は、現地の女子学生(18歳)に仕事を手伝ってもらうようになりました。
彼女の父親が家を出て行ってしまい、母親が上司の家に住み込みでおいてもらい給仕として働いていました。
母親と初めて上司の家にやって来た時、彼女はまだ3、4歳だったそうです。
母娘は、上司とその家族にはとてもよくしてもらっていたのだとか。
少女は良い子に育っているように感じました。
しかし、結局2人とも"使用人"であることにかわりありません。
上司からだけでなく、その家族からよく使われていたようです。
彼女は学生になるとパソコンが使えるようになり、上司の仕事を勉強の合間に手伝うようになりました。
ある日、彼女がパソコンの作業でミスをしました。
しかも彼女は、それを私のせいだと堂々と嘘をついたのです。
上司のことを恐れていたからでしょう。
彼女のことは小さな時から可愛がってきたのでショックでしたが、もっとショックだったのは、長年懸命に仕事のサポートをしてきた私よりも、上司が彼女を信じたことでした。
私は嘘をつくのは大嫌いですし、根っから真面目な性格です。
長年乱暴な指示に振り回されてきたことを怒りもせず受け入れ続けてきたのに...。
ついに怒った私は、私でなくてもできる、私がやる必要はないと思った仕事は、一切引き受けないことにしました。
これが上司には相当こたえたようです。
一方私の方は、今までせっかくこなしても無駄にされてきた仕事から解放され、自分の抱える仕事に専念出来るようになりました。
社長は、普段からあまり皆の仕事に干渉しないのですが、この時は私の姿勢を称賛してくれたので、間違っていなかったことを確信しました。
女子学生の一件は、上司に見切りをつけるのに良い機会だったと思います。
そうでなければ、私は目覚めることなく、ずっと不要な仕事をし続けていたことでしょう。
半年も経つと、上司とも女子学生とも何事もなかったように温和に接していました。
ただし、私はその上司の仕事は手伝うことはなくなりました。
その代りにあの女子学生と、会社に入社した上司の子供達がこき使われていました。
関連の体験記:気づいてしまった...中学校の給食室で働いていた私が目撃した、栄養士の「ある行為とその顛末」
関連の体験記:思い出すだけで涙が。私の高校受験の前夜に「自宅で宴会を始めた父」を未だ許せません...
関連の体験記:誕生日も教えてくれず、助けてもくれなかった義母。私が義父母を慕う気持ちは、24年経った今も伝わりません
- ※
- 健康法や医療制度、介護制度、金融制度等を参考にされる場合は、必ず事前に公的機関による最新の情報をご確認ください。
- ※
- 記事に使用している画像はイメージです。