お客様からの「多彩な無茶ぶり」。レンタルビデオ店の仕事は困ることもあったけど、楽しいことも...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:52
プロフィール:15年程前、30代後半の頃にレンタル店で働いていた時、お店では様々なお客様の問い合わせや要望がありました。

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接客の仕事が好きな私は、さまざまなお客様との思い出があります。

嫌な思いをしたこともありますが、思い出すとクスッと笑えることもあります。

今から15年ほど前、レンタル店で働いていた当時はDVDとビデオが混在していました。

通常の貸し出し業務だけではなく、ビデオを巻き戻しせず返却されるお客様への対応、DVDに傷が付いていて映像が止まってしまったお客様へのディスクの交換や返金対応などもしていました。

レンタルの仕事は他の仕事に比べてトラブルやクレームが多く、大変だなと日々感じていました。

質問や要望も多く、前日に放送されたドラマの主題歌の曲名を聞かれたり、テレビで紹介された映画のDVDを借りたいと聞きに来る人は毎日のようにいました。

特に年配のお客様からは、思いもよらない問い合わせを受けることが多かったです。

中でも、店頭からDVDを持って来て「この表紙(ジャケット)の右端の役者さんが出ている他の映画を調べて欲しい」という問い合わせにはちょっと手を焼きました。

お店で確認できるデータでは、映画や音楽の作品名での検索や、主演の役者さんの名前での検索くらいしかできません。

店頭にいた従業員が誰も名前を知らない役者さんで、DVDのジャケットの裏面にも名前の表記がなかったのです。

結局、その時はお客様に調べる時間をいただいて、バックヤードでお店の事務処理などに使用するパソコンで検索しました。

そして、その作品について書かれているサイトや関連するページをあれこれ調べてようやく名前を特定して何とか解決しました。

年配の人は特に、「この人の出ている作品」とか「この人が歌っている曲」などといった大雑把な情報だけで来店されるので、対応に時間が掛かったことを覚えています。

あげたらきりがないほどいろいろありましたが、お客様の質問や要望の中で一番思い出に残っていることがあります。

ある日、60代ぐらいの女性が昔流行った「ダンシングフラワー」というおもちゃを持ってやって来て「このおもちゃが演奏している音楽のCDが欲しい」と言われたのです。

突然の話で唖然とする私の前で、おもちゃのスイッチを入れてお客様がパンっと手を叩いたらシャンシャンと音楽が流れ花が踊り出しました。

でもサビの部分だけ切り取ったらしく、音質も良くないので聴き取れず分かりません。

「分からない? もう一回やるから聴いてね」

またお客様が手を叩いて音楽が流れますが分かりません。

何度も繰り返しましたが分からず、困っていると他の従業員も集まって来ました。

耳慣れてきて多少聴きとれる気がしても、思い当たる曲も浮かびません。

でもお客様は「ごめんなさいね」と何度も繰り返し聴かせてくれました。

結局、「何となく、あの曲かも」と何枚か店頭からCDを持って来てお店の再生機で流しましたが、ハッキリと断定できる曲が見付かりませんでした。

お客様の方から「もう良いです。仕方ないね」と言われた時は、悔しい気持ちと申し訳ない気持ちでみんな言葉がありませんでした。

そのおもちゃは、お客様の娘さんが小さい頃に買ってあげたものだったとのこと。

娘さんがお嫁に行ったあと家の中を片付けていて見付けたそうです。

おもちゃを処分する代わりに流れて来る曲のCDを借りて録音し、娘さんに送ってご自分も手元に一枚残しておこうと思われたのだそうです。

ガッカリな様子に気が重くなりましたが、せっかくなのでおもちゃを捨てずに残しておくと言われ「一生懸命調べてくれてありがとう」と声を掛けてくれました。

最近、お客様への対応がとても難しいと感じながら接客の仕事をしている人の話をテレビやネットで見かけます。

私も苦労はしましたが、幾つかの心温まる体験をこうして時々思い出すことで乗り切ってきた気がしています。

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