<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:58
プロフィール:地方公務員の58歳の男性です。同僚に何となく付き合いづらさを感じて2年近くがたちます。
特に理由がないのに何となく付き合いづらい同僚がいたりしませんか?
私にはAさん(48歳)という同僚がそんな人でした。
昨年の春、人事異動で私の課にやってきたAさん。
人事異動の季節は年度初めのかき入れ時でもあり、毎年のことながら挨拶もそこそこに業務が始まります。
Aさんとも特に印象的な出会いはなく、普通に業務をこなし始めました。
異動後、何日か経って落ち着いてきたのを機に、新しい仲間とも少しコミュニケーションを取ろうと話しかけてみました。
「どう? 仕事には慣れた?」
「...」
返事がないので、聞こえなかったかと思い、ついでに自己紹介もしてみたのです。
「ああ、私はウジといいます。結構この課も長いので何か分からないことでもあれば...」
言いかけた時でした。
「...今、ちょっと忙しいんで...」
と、なんともいぶかしげにAさんに突き放されました。
どうも付き合いにくいタイプだな、と感じ、それ以降は必要以上にコンタクトしないようにしました。
見ているとAさんは私以外の職員とは雑談もしているようです。
向こうもどうやら同じ印象のようで、私とは必要最低限のことしか話しません。
私も触らぬ神とばかりに、ますます話しかけないようにしていました。
今年になりコロナ禍の影響で在宅勤務が増えました。
同じ課であっても同僚と会う機会は目に見えて減りました。
当然Aさんともほとんど会わなくなり、正直ほっとしていました。
そんなある日、久々の出勤をしていた時のことです。
この日は気の置けない仲の同僚(55歳)も出勤していました。
昼食の時間、彼からこう切り出されました。
「...あのさあ、Aさんから相談されたんだけど...」
「え? Aさん?」
おそらく、その瞬間私は顔色を曇らせたと思います。
「ふうん、どうやら本当なんだな」
「って、何が?」
「彼さあ、ウジさんに無視されるって気にしてるみたいだぜ」
「え?」
それはこっちのセリフだ、と思いました。
「なんか最初の挨拶の時からとっつきにくいとは思ってたみたいだけどね...」
「最初の挨拶...」
そう言われて思い出しました。
彼が最初の異動の挨拶に来た時、私は時間の迫った会議の資料作成に追われて、彼の挨拶に生返事だったような気がします。
「彼さ、仕事を覚える時も君には声を掛けづらかったらしいんだよね」
「なんで?」
「いや、おれなんかの方が聞きやすかったんじゃない? 暇そうにしてっからね」
第一印象が良くなければ、あえて声を掛けようとは思わないだろうな、とは想像がつきました。
「いや、でも、こっちから話しかけようとしても...」
「ああ、言ってたよそれも、おれは偶然だろって言ったんだけど」
「なんのこと?」
「君さあ、Aさんが間違って保存書類を処分しちゃって課長に怒られた時に声掛けたんだよ」
「そんなの知らないよ!」
「だから、偶然だろって言った、って言ってるだろ」
仕事をしくじったまさにその時に「仕事に慣れた?」は嫌味にしか聞こえないでしょう。
ましてや嫌な印象の相手からなのですから。
どうやらそれでAさんは決定的に私を避けるようになり、そんな彼を見て私はさらに避ける、という悪循環に陥ったようです。
同僚はAさんに、私が勘違いを詫びたいと思っていることを伝えてくれると約束してくれました。
忙しい時でも、ちょっと苦手だと思っていても、真摯な態度でコミュニケーションは取るようにしないとダメだな、と感じた出来事でした。
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