<この体験記を書いた人>
ペンネーム:しらたま
性別:女
年齢:45
プロフィール:寒さに弱い私。気温が下がってきたので、手足の冷えがツラいです。夜は毎日、湯たんぽが欠かせません。
一つ年下の夫と10代の娘と3人暮らしをしています。
最近娘に勧められて読んだ漫画は、同時並行世界を描いた作品。
自分の選択で、未来を変えるという内容です。
友人の死を止められなかった主人公が、悲劇を防ぐために過去の自分に手紙を出します。
受け取った過去の自分は、未来の自分の手紙をもとに、未来を変えようと奔走します。
娘が感動したというこの漫画は、私が昔のことを思い出すきっかけになりました。
20代の頃に私が職場で知り合ったある人は、部署は違うものの、一緒に仕事をする機会が多かった相手でした。
仕事で何度か話したりするうちに、だんだんと惹かれていく自分に気付きました。
そして彼も、私に対して好意を持ってくれていたようです。
これまで出会ったことのないタイプの人で、戸惑うこともありましたが、紆余曲折の結果、付き合うことになりました。
彼の一人暮らしのマンションは会社から近く、私が泊まった翌日には、手をつないで出勤したのを今でも覚えています。
2人で過ごすうちに季節が移ろい、街道沿いの街路樹は鮮やかな黄色に色づいていきました。
一時は、結婚も考えた相手でした。
しかし、ささいな価値観の違いが、数カ月かけて2人の間に積み重なり、壁ができていきました。
また、仕事が楽しい時期だった私は、約1年の長期出張で、彼と全く会えなくなる仕事を優先させました。
彼は反対しましたが、私は仕事を選んだのです。
それをきっかけに、私たちは別れました。
私たちがお互い相手をもっと大切にしていれば、ふたりの間には、別の未来がやってきたのかもしれません。
あの時、出張を断って彼と一緒に過ごすことを優先していれば、私の結婚相手は彼だったのかもしれません。
彼を選んでいれば、今ここにいる私とは、別の私になっているのでしょう。
しかしその場合、私は現在の夫と結婚することはないことになります。
そうすると、私にお勧めの漫画を教えてくれた娘は、存在しないことになります。
そう考えると、私がこれまで選択して歩んできた道は間違っていないのだと感じました。
誰しも人生の分岐点での自分の選択には、自信を持てないことがあるでしょう。
何が正解なのかはわかりませんし、選択が正解か間違いだったかがいつ分かるのかも、人によって異なるのかもしれません。
もしかしたら一生分からない場合もあるでしょう。
でも一つだけ確かなのは、今ここにいる私自身は、自分の人生で正解を選んだと感じていることです。
娘の横で幸せを感じた瞬間でした。
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