<この体験記を書いた人>
ペンネーム:れもん
性別:女
年齢:45
プロフィール:2人の息子を持つシングルマザー。近年は、もっぱら家庭菜園、体調不良の話で持ちきりです。
実父母と同居している5人家族です。
我が家は日頃から、良くも悪くも大変賑やか。
両親は些細なことでも、口喧嘩に発展してしまうことが日常茶飯事。
今は田舎で暮らしているので、都会に比べ、ご近所のおうちと距離が離れていることが救いです。
都会にいた頃は近隣のおうち密度がかなり高く、家の中で幾度となく繰り広げられている両親のバトルが筒抜けなんじゃないかと、常々ハラハラしたものです。
思い起こせば、私の4つ上の姉の方が、私よりもよほど神経をすり減らしていたと思います。
なぜなら昔、我が家のすぐ隣に、姉と同じクラスのモテモテ男子が住んでいました。
姉がその男子に好意をよせていたことは、姉が必死になって両親の喧嘩の仲裁に入る態度から、充分に察することが出来ました。
そんな姉の姿を横目に、心底気の毒だと思っていたのを覚えています。
そんな環境で育ってきた私は、両親の頻繁な小競り合いには徐々に慣れっこになっていきました。
喧嘩は我が家の象徴、元気な証拠、ぐらいに今では思っています。
ところがある日のこと。
自宅のリビングでお茶を飲んでゆっくりしていると、いつものことながら、両親の口喧嘩が始まりました。
「あ~、またか」
そう思い、私は静かに本を読みたかったので、別の部屋へ移動しようとした時です。
聞こえてくる口論の内容になんだか違和感...。
移動しかけた足をとめて、注意深く2人の会話に耳を傾けると、面白いことに気が付きました。
なんと、2人の主張は同じ!
例えるなら「だから俺は〇〇にしようと言ったんだ」と父が言えば、母が「私も前から〇〇と思ってましたよ!」と、なぜか怒って言い返している感じ。
この「〇〇」は同じことを言っているんです。
どうして喧嘩になったんだ?
私は不思議でしかたありませんでした。
もしかするとここ数年勃発していた喧嘩の主な原因は、加齢による聴力の衰えによるものだったのかもしれません。
またある時は、珍しくスムーズな会話。
「平和だなぁ」と思いきや、お互いチグハグな主張がいきなり展開されたり...。
それでも何故か会話が成り立ってしまう奇跡。
そんな両親に、「これは夫婦漫才ですか?」と、思わず突っ込みを入れたくなります。
私の両親に限っては、年々顕著になってくる聴力の衰えも、そう悪い側面ばかりでもないのかな、とすら感じています。
私が50歳になろうと60歳になろうと、いつまでも2人の娘であることにはかわりありません。
そして両親がそれぞれの余生を穏やかに過ごせるなら、そんな勘違いもアリかな、と思っています。
これからも、まだまだ夫婦漫才の新コントには、磨きがかかりそうです。
年明けのお正月、私の姉が帰省した時には、また両親の新たなコントネタを報告し、ワイワイ過ごす予定です。
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