<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫・子供二人・パート主婦。
私(45歳)は派遣で販売の仕事をしています。
基本的には単発での仕事なのですが、同じメーカーさんから続けてオファーをいただいたため就業期間は長く、毎回リーダーを務めさせてもらっています。
リーダーといっても極端に業務が多いわけではなく、私の場合は他の派遣さんへの指示、商品管理などが通常業務に加わるくらいです。
去年の12月の話ですが、その時のチームは大学生が4人と私。
1日3人体制、イベントでの短期販売で、私は期間中の2週間、休みなしのシフトでした。
大学生は4人とも販売経験がないか2~3回やったことがある程度。
在庫管理は簡単なので大学生にも分担して作業してもらいましたが、お歳暮・寒中御見舞・お年賀なども頼まれる時期です。
包装や配送作業は全くやったことがないと言うので、それらは私がやることにしました。
ただ、売り場が狭く包装するスペースがないので、私はバックヤードで包装作業することが多くなります。
まだこの時、私は気づいてなかったのですが、それを見たバイトの1人である女子大生のMさん(21歳)は、「いっつも売り場にいないじゃない!」と私が仕事をサボっていると思い込んでいたようです。
Mさんはこの百貨店で働いたことがある経験者でした。
レジもできるのでとても頼りにしていたのでが、イベントが始まって3日目くらいからでしょうか、その日私が配送作業をして売り場に戻ると、あからさまに嫌な態度をとられました。
「戻りました」と声をかけても無視。
大学生同士おしゃべりしているのはいいのですが、お客様がいらっしゃると「やれよ!」的な態度で私を見ておしゃべりを続ける始末。
試食のカットをお願いしても不満顔。
「今、これをやっています」とたいした仕事でもないのに続け、指示に従わなくなりました。
いつの間にか私と大学生が対立しているような状態で、困ってしまいました。
どうしようかと思いながら5日ほど経った頃、派遣会社から連絡がありました。
「おこめさん、大丈夫ですか?」
告げ口みたいで嫌でしたが、困っていたので正直に話しました。
「どうやらさぼってるように感じてるみたいなので、いっそ包装や配送やらせてみてください」
その時に、大学生たちの不満を知りました。
その次の日、Mさんはお休みでしたが、他の大学生を1人ずつバックヤードに連れて包装と配送をやらせてみました。
2人とも「こんな大変なことをやっていたんですか?」と驚いていました。
包み方を教えても一回じゃ簡単にはできません。
私が素早く丁寧に包装して見せると、拍手してくれました。
そして熨斗紙、配送に一つ一つルールがあることを説明したら、みな一生懸命メモしてくれました。
その後、2人それぞれに配送をお願いしたらイキイキした表情。
私も1人で仕事を抱えていたのが悪かったと反省しました。
翌日、遅番で来たMさんは相変わらず不機嫌な顔でしたが、出勤早々バックヤードで昨日と同じく一通りの作業を一緒にしてみました。
「え? 配送は商品を社員さんに渡しに行ってたんじゃないんですか?」
びっくりした様子で言ってくるMさん。
どうやらMさんが以前働いたメーカーさんでは、すべて社員さんが包装配送をやる契約だったそうで、それが当たり前だと思っていたみたいです。
口には出しませんでしたが、私が社員に渡しに行っておしゃべりして帰ってこないとでも思ってたのかな? それであの態度だったのね。
すべての謎が解けました。
Mさんも他の大学生と同様、その時から私への対応が変わりました。
配送だけなら大学生もできるので、それからはすべてお願いしました。
売り場でもスペースを少し作って、包装のやり方を教えてあげたら、どんどん上達していき、それからは平穏に最終日まで過ごせました。
できないからと自分だけで背負わずに、まずは教えることが大事、それが私の教訓となりました。
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