<この体験記を書いた人>
ペンネーム:向日葵
性別:女
年齢:52
プロフィール:脳梗塞の夫と二人の子供と暮らす、働くお母さんです。
私は、生き物が大好きです。
動物好きの父の影響で、実家では子供のころから、犬、猫、九官鳥、オカメインコ、セキセイインコ、リクガメなど、いろいろな動物を飼育してきました。
他にも、近所の小川で釣ってきた鮒やドジョウ、ザリガニなどを水槽で飼育したことも。
もちろん、結婚してからもペットを飼おうと考えていました。
ところが26歳の時、長女を妊娠中に風邪を引いたわけでもないのにくしゃみと透明な鼻水が止まらず、病院に行ってみたらなんと「アレルギー性鼻炎」でした。
その後「毛のあるペットは飼わないように」と医師からの指示があり、犬や猫が飼えなくなってしまいました。
「子供が生まれたら、動物と触れ合う楽しさを知って貰いたかったのに...」
そう思っていた私には残念すぎる宣告でした。
アレルギー症状が改善されれば、そのうち飼えるかもしれないと微かな希望を持っていましたが、なんと、今度は長女が喘息気味なことが判明。
これで、猫や犬を飼うことはできなくなりました。
それでもやはり、子供にペットと暮らす楽しさを知ってもらいたかったので、18年ほど前に子供(長女・当時7歳)と一緒に、ホームセンターで500円玉サイズのミドリガメを購入。
現在では全長30センチを超える大きな亀に成長しています。
長年飼育していると、亀とは言えもう立派な家族の一員で、かわいいものです。
お天気がいい日には、庭に大き目のたらいを出して、水を張り、真ん中にレンガを置いて甲羅干しをさせます。
この時の手足をダラーンと伸ばした姿が、見ているととても癒されます。
そんな生活も早、18年目。
いつものように庭先で亀の甲羅干しをさせていると、ご近所の少し苦手なママ友Aさん(45歳)が犬の散歩で通りかかり、もの珍しそうに話しかけて来ました。
「亀なんて、その辺にうようよいるよね」
「値段300円くらい?」
「なんか気持ち悪くない?」
「頭悪そうだよね」
思い出してもイライラしますが、私たちの亀をそんな風にこき下ろして来たのです。
その上、自分の家で飼っているマルチーズ犬を「血統書付き」「値段は30万!」「頭がいい」「可愛い」と自慢してきたので、さらに頭に血が上ってしまった私。
ここは、飼い主として黙ってはいられません。
「確かにワンちゃんは可愛いですが、わが家の亀さんも可愛いですよ!」
亀の可愛さを笑顔全開で説明して差し上げました。
その1 水槽の近くを通ると、必ず上目づかいで見てくる。その目がなんとも可愛い。
その2 エサのケースを持って近づくと、陸場にいても水に飛び込んで、「エサちょうだい~♪」とエサくれダンスをする。けっこう、頭がいいんです。
その3 何といっても、甲羅干し姿に癒される!
などなど、マシンガントークを炸裂。
ちょっと大人げないかと思いましたが、私の「亀さん愛」が伝わったのか(?)、Aさんは引きつった笑顔で帰って行きました。
それ以降、Aさんがペットのことでマウントを取ってくることはありません。
ワンちゃんの悪口は一言も言っていませんし、亀さん愛を熱く語っただけだから、悪いことはしていませんよね。
ミドリガメは、飼育下の寿命は30年とも40年とも言われています。
老後は、夫婦でのんびり縁側でお茶をすすりながら、亀の甲羅干しを眺める。
そんな生活をするのが密かな夢です。
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