<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:53歳の主婦です。56歳の夫と2人暮らしです。バブル時代の光と影をお話しします。
2020年はコロナ禍の影響で、不況に拍車がかかりましたよね。
アラサー世代の友人(女性)も、「冬のボーナスのカットが決定的になった。旅行も、洋服の新調も諦めなければならない」と嘆いていました。
その時、友人からこんなことを言われました。
「masakoさんはバブル世代だから、クリスマスに一流ホテルに泊まったり、しょっちゅう海外旅行をして高級ブランドを買い漁ったり、いい思いをたくさんしたんでしょう」
彼女から羨ましがられて振り返ってみたのですが、確かにいいことはたくさんありました。
私はバブル時代、あるデパートの社員で販売員をしていたのですが、面白いほど商品が売れました。
連日、売り上げ目標額を大幅に上回り、そのたびに500円~1000円程度の大入り袋が配られました。
大入り袋の収入だけで3万円近かった月もあったくらいです。
ボーナスも年3回が当たり前で、連休のたびに豪華旅行をしたものです。
でも、決していいことばかりではありませんでした。
まず、セクハラは今よりも酷かったのではないでしょうか。
上司は普通に「おはよう」の挨拶のついでにお尻を撫でてきますし、忘年会などではデュエットを強要されたあげく肩を抱かれたり、太ももに手を置かれたり、酷いときには胸をつつかれたりしました。
「触って貰えるうちが華だよ。ババアになったら、誰も触ってくれないよ」
やんわりと窘めてもこんな返しをしてきて、まったく悪びれた様子はありませんでした。
まるで「自分にはセクハラする権利があり、その相手に選ばれたことを光栄に思え」とでも言いたげな感じでした。
当時は、セクハラという言葉もまだ浸透しておらず、ほとんどの人間はその概念すら知らなかったのです。
しかし女性社員がセクハラを受ける一方で、男性社員間ではパワハラが激しかったように思えます。
長時間労働やサービス残業などは、現在のブラック企業と大差なかったかもしれません。
ただ、当時は何か問題が起きると、当事者は朝礼でみんなの前で叱責されるのが当たり前でした。
また、休みの日に上司の引っ越しの手伝いに駆り出されるなど、公私混同としか言いようのないことをさせられることも多かったようです。
にも関わらず、当時はパワハラの概念すらなかったので、どうしようもなかったと思います。
また、鬱病などに関する偏見は現在以上に強く、精神的に追い詰められて退職した方は少なくなかったです。
中には、退職して間もなく、若くして命を落とされた方もいました。
最後にもう一つ、これは個人的な意見かもしれませんが、バブル時代の嫌な点は「結婚に対する圧力」だったと思います。
今の若い方には信じられないでしょうが、女性は25歳までに結婚退職するが普通の時代でした。
私は、当時としては遅い部類に入る28歳で結婚したのですが、22歳を過ぎた頃からたまに親戚と顔を合わせると、決まって結婚について言われました。
「結婚はしないの?」
「相手はいるの?」
などと質問攻めにされたし、両親からも「世間体があるから、25歳までには結婚してね」と圧力をかけられっぱなしでした。
同級生のなかには圧力に負け、お見合いで好きでもない人と結婚して、すぐに離婚した不幸なケースも少なからず見られました。
不景気が続く中、景気の良かったバブル時代を羨む人もいますが、決していいことばかりではなかったのだと、若い方には知って頂きたいです。
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