「会社を畳むことにした」夫からの一本の電話であっという間に砕けた「私たち家族の暮らし」

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:52
プロフィール:当時は一つ年上の夫と娘の3人家族。夫が始めた建設会社の状態は不安定で私はパートで生活費を賄っていました。

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今から15年前、実家の建設業を手伝っていた夫が独立して10年ほど経ったある日のことです。

突然、出先の夫から「会社を畳むことにした」と電話がありました。

業者への次の支払いができないと言うのです。

それまで何度も経営が立ち行かなくなり、私の両親に頼み込んでお金を借りたこともあり、私から見ても「自転車操業」だと分かる状態でした。

会社のお金については税理士さんにお願いしていましたが、あまりのどんぶり勘定でお手上げと言われ、夫は自分でお金を管理しながら現場の仕事もするという状況が続いていました。

ただ、絶対に上手く行っていないと分かっていたので、夫の「会社を畳む」という言葉には全く驚きませんでした。

それよりも、これまでに夫は何度も設備投資や支払いの為に銀行に借り入れをしていて、妻である私は「当たり前のこと」として保証人になっていたので、そのことが心配でした。

夜、帰宅した夫から、ひとまず娘と共に実家に帰るよう言われました。

幸い学校が長い休みの最中だったので、とりあえずの荷物だけを持って2人で実家に行きました。

両親はやはりお金の心配をして、もしまだ立て直せるのなら資金を出すと言ってくれましたが、私は絶対に無理だと思ったので断りました。

それよりも今後の生活費や娘の学費の方が心配だったからです。

翌日、夫が実家に来たので2人で話をしました。

私が保証人になっている銀行からの借入金の問題、そして幾つかの業者への支払いができていないことから、まずは籍を外した方が良い、そしてしばらく実家にいて欲しいと言われました。

理解するとかしないとか、そんな余裕はありませんでした。

支払いの滞っている相手業者が自宅に来たりすると聞き、自分自身が怖いのと娘が怖い思いをするかもと不安になり、どちらも受け入れたのです。

そのまま夫は自宅へ戻り、私は娘と実家で暮らすことになりました。

学校が始まっても私は娘を車で送り届けてからパート先に行く生活になりました。

でも、毎晩あった夫からの連絡が一日おきになり、数日空くようになり、3週間ほど経つと全く来なくなりました。

ある日、こちらから連絡をすると番号が既に使われていないとのアナウンスが。

交流のあった夫の友達に連絡をすると「最近会っていないから知らない」と言われましたが、その後は電話に出てくれなくなりました。

母に話すと「その友達も関わりたくなかったのかもしれないよ。お金のことだし」と言われました。

父は黙っていましたが、何度も夫の仕事のために大事な退職金の中からお金を出してくれたりしていたので、悲しい思いや残念な思いがあったと思います。

その後、話をするために義理の両親とも会いましたが「うちは関係ない」の一点張り。

反対を押し切って独立したので無理もないのですが、あまりに冷たい対応で返す言葉がありませんでした。

結局、それ以来一度も夫から連絡はなく、籍は外してあったので母子手当と両親の助けを借りて生活をしました。

親戚から私が知らない借金が他にもあるかもしれないと自己破産を勧められ、裁判所に行き手続きをしました。

娘は普通に学校に通っていましたが、途中から不登校になり家に引きこもるようになりました。

娘も理由をハッキリとは言いませんでしたが、多感な時期に起きた出来事が心の傷になったのだろうと思うと申し訳ない気持ちでいっぱいです。

15年経った今も、娘はその頃の事は何も言いません。

言わない分、かえって気を遣っているのではと不安になります。

でも最近は少しずつですが外出できるようになりました。

時間が掛かると思いますが、娘が伸び伸び過ごせる日が来る事を願いながら、私も親に頼らず自分の人生を自分の思うように進んで行けるよう頑張っています。

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