<この体験記を書いた人>
ペンネーム:梅雨入り宣言
性別:女
年齢:65
プロフィール:夫と息子、そしてペットの犬と猫との生活です。もう少し距離感をもって生活したいと願っています。
結婚して43年目に入ろうという夫と私には、同居する独身の息子と県外で家族と暮らす娘がいます。
傍からは「穏やかなシニア生活に見える」といわれますが、元号が新たに「令和」に代わって、なんだか急に自分たちが過去の人になったように感じるのは私だけでしょうか。改元にかこつけているだけ...と言われてしまいそうですが、なんだが急に歳を取ったような気分になり、物忘れもますます増えたように感じるのです。
どこかに物を置き忘れたり、カギをなくしたりなどというのは日常茶飯事で可愛いもの。先日は、大急ぎで車に乗って出かけたのはいいけれども、信号待ちで止まって「あれ? どこへ行くんだったかな?」なんていうことまであって、我ながら冷や汗が出ました。その時はすぐに思い出せたのでよかったのですが 自分が信じられなくなりそうです。
数カ月前のこと、やはり車で出かけようとした時です。
最近は、なるべく夫より若い(少しだけですが)私が運転をするようにしているので、その日も私が運転を担当し、夫は助手席でした。
夫は足腰の筋肉がここ何年かでとても衰えてきていて、動きが大変鈍く、腰や膝は日常的に痛みがある状態。少しの移動でも「いててて......」と言いながらかなりの時間がかかります。
この時も、車内で日が暮れるんじゃあないかと思うほど待たされた挙句、夫が「この車は狭い」だの「物を置く場所がない」だの怒り始めて、いつも通り喧嘩の始まるパターンになりました。
散々待たされたうえ、がみがみ車の文句を私のせいのように言われて、不満も募っていたのですが、何とか気を取り直し出発しました。
ところが、車の「シートベルト未着装」のランプが点等しているのを見て...たまりにたまった怒りを爆発させてしまいました。
「あなた、シートベルトしてないんじゃないの!?」
腹が立っていた私は、夫を一瞥もせず、運転しながら激怒しました。その剣幕に、夫は一瞬たじろいだようですが、ぶつぶつ言いながら確認して「えっ、シートベルトしてるぞ......」とボソリ。
私は怒りが抑えられず「シートベルト未着装のランプが付いてるでしょ!」とエスカレート。すぐに路肩に車を寄せて止め、我ながら「鬼の形相」で夫のシートベルトを確認しました。
すると...何故かちゃんと夫はシートベルトを装着しているのです。
恐る恐る私は自分のシートベルトを確認しましたが、なんということでしょうか! シートベルトを装着していないのは私だったのです。
「あれ! 私やったわ~」と、薄ら笑いをうかべ引っ込みが付かなくなっている私に夫は「ほんまに漫画やな~」と笑ってくれて自体はなんとか収拾しました。夫からのそれ以上の突っ込みもなく助けられましたが・・・・
この先こんな頓珍漢な喧嘩や会話をどれほど繰り返すのだろうと思うと、恐ろしい気持ちになりますが、あまり夫の物忘れを攻めてはいけないなと反省した次第です。本当に危ないのは私のようにも思えてきました。
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